空中楼閣組織・秘封活動録【一冊目】

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明るいミルクティー色の茶髪に、高い背丈。それと若干感情の読めない糸目。口元は常に微笑を湛えている。人の良さそうな好青年だ。

その人はふわっとした笑顔で、調子のいいペースで話し出した。


「どうもはじめまして、高天原封馬といいます。多分俺の妹から、聞いてるよね？年は23。雑誌のモデルだったり、俳優だったりして稼いでるよ。よろしくね、灯色ちゃん」

「あ、はい、よろしく＿＿……モデル？」

「うん」

「……え？」

「？」



うーん、なんだろ、いまいち理解が追い付かない。というか最近脳が退化してんじゃないかってくらいには理解が追い付いてない。もちろんこの人らのせいだけど。

手をふるふる震わせながら、封馬さんを指差す。


「え、あの…恐縮ですが、もしかしてテレビによく出る『西園寺悠(さいおんじ ゆう)』って……」

「あ、うん。それ俺のHN(ハンドルネーム)」

「………」


もう絶句して声も出ない。その場に硬直したまま、目を逸らせずにいる。


「ね？わたしの説明間違ってなかったでしょ」

「……うん」


すいれんさんに自信気に覗きこまれる。
派手できらきらしてて諸事情により人に言えない仕事。あー、確かに間違ってない。というかほぼ正解じゃないか。

封馬さんなんかすごい人柄良いし、あらぬ誤解をしてしまったことにいたたまれなくなる。


「それでこっちが＿＿」


あれ、自己紹介まだ続きあるの？

と思ったら、封馬さんの肩からひょこっと何かの影が飛び出した。

姿の全貌が明らかになったところで、それにも絶句する。


「この子、俺のペット……じゃなくて、友達って言った方が近いけど。いつも一緒にいる子だよ」

「……何これ」

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