゙ ページ39
「あー美味しかったー」
「ああっ、わたし一口ももらってない!」
ぱっぱと布に包んで片してしまったふうりに、すいれんが文句を飛ばす。前の三人なんてお構いなしに。
クラスのカーストでいう取り巻きの女の子の一人が、口を開いた。
「てかさ、二人とも感じ悪いよ?せっかくうちらが誘ったのにそこだけで話して」
「思ったー!聞いてるだけのこっちの身にもなれって感じ」
すかさずもう一人も便乗する。真ん中に陣取るリーダーは、満足そうな下卑た笑みを浮かべている。
ふうりははあ…と困惑したような表情を貼り付けている。
「(こっちはお前らと食べたいとも思ってないんだな。休み時間三人で壊れた猿みたいにキーキー騒いでんだからここでもそうしろよ。空気読めないとか特大ブーメランだよ)」
貼り付けているだけで、人前ではどうしても言えないような黒すぎる裏の声が私には幻聴ではなくしっっかり聞こえた。
しばらくきょとんとしていたすいれんだが、すぐにぱっと顔を明るく照らした。
「そっか!じゃあ、今からわたしが質問するから答えて。わたし三人のこと全然知らないから!」
この子、私達と別の次元にでも住んでるのだろうか。鳩が豆鉄砲喰らったような顔でぽかんと見つめる三人。お構いなしに、じゃあ一つめーと喋り始める。
「名前何ていうんですか?あと、何部ですか?得意なことと、苦手なことってあるの?」
いや嘘だろ。名前知らずについてきてたの!?名前知らない人には着いていくなってふうり言っといてよ!!
すごいすいれんに対して失礼な扱いになってきてるけど、こうしてみるとふうりとすいれんが親子みたいに思える。
慌てて反論するリーダー。
「いや待って、そんなん急にされても困るから」
「そっか。どのくらい待ったらいい?お昼食べ終わるまでくらい?」
「そういうことじゃない!」
私も三人も、だんだん、というか始めからすいれんのペースに呑まれてる。本心からの笑顔を崩さないすいれんが一種の天才のようにも見えてきた。
よく言えば純真、悪く言えばKY。
隣で悪い顔をしたふうりがぐっと親指を立てていた。
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ひすい(プロフ) - tubinさん» わわ、嬉しいお言葉がたくさん!ありがとうございます。雪氏の挿絵も相まってキャラの可愛さが伝わっていれば幸いです…。モチベがあがるー!早めに更新できるように努力します(`∀´*)/ (2021年8月28日 0時) (レス) id: bcd955ca5c (このIDを非表示/違反報告)
tubin - ひすいさん» すごくおもしろかったです!! 無中になって読んでました!! 続きがすごく楽しみです!! 応援してます!! これからもがんばってください!! (2021年8月27日 10時) (レス) id: 73a03e30c5 (このIDを非表示/違反報告)
颯貴(プロフ) - 秘封活動録………秘封活動倶楽部を思い出した……wwそれはさておき面白かったです! (2021年1月27日 14時) (レス) id: 877859fa3c (このIDを非表示/違反報告)
ひすい(プロフ) - 梨李愛さん» な、何かが違う…。でもありがとうございます、梅酒呑みます未成年ですけど!!! (2020年11月24日 18時) (レス) id: 13e26514b2 (このIDを非表示/違反報告)
75。(プロフ) - 梨李愛さん» 梨李愛さんだ!(歓喜)推しの敵の弱点を頂きましたありがとうございます^^ ?「75と仲間になる確率が上がった!」 (2020年11月24日 17時) (レス) id: 262b134c7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひすい&雪。 x他1人 | 作成日時:2020年10月26日 21時