メリット ページ19
「違和感はなんとなくあったけど、まさか自分がそんな体質だったとは…」
「わたしも小学5年生くらいまで気づかなかったよ!」
「4、5年前じゃないの…」
私今日たった今ここで、他人に説明されるまで気づかなかったんだけど!?
今まさに、青春を謳歌している真っ最中だよ!?華の乙女だよ!?
それなのに人生モノクロで、それを違和感と思わず暮らしてきたなんて……
悲しすぎる。
「まあ、技巧派の話のときにも言ったけど、私達の能力ってそういうぼんやりしたものなんだよ。気付かなくても、灯色さんが鈍くて鈍感なあほってわけじゃないから、安心して」
「私そんなこと一言も言ってないよ?それにしてもこんなへんな体質、いいことなんてないじゃん…」
「そんなことないよ?その力は灯色さん次第で、メリットになったりする」
私次第?
というか、どの辺がメリットになるの?
「これは試したことはないし、本当に憶測だけど」
前置きを於いて、ふうりさんは話し始める。
「その能力、極端すぎるわけでもないと思うんだ。ちょっとでも魅力を感じれば、薄く淡くだけど色が付く。大好きなモノだったり狂おしいほど興味を惹かれるモノだったら、より鮮やかに艶やかに、美しく色が付く」
「ふうりちゃん、あでやかって何?」
「広辞苑で調べなさいお馬鹿さん」
「あれ重いからいやなんだけど、持ってきてくれる?」
「ぶっとばすぞ」
この二人、話し出すと本当に脱線するな。
はやく、と続きを催促すると、拳をグーにしたふうりさんが軽く謝りながらこちらに向き直った。私から見て奥には、頭を抱えたすいれんさんがうずくまっていた。犯行が速い。手慣れてやがる。
「まあ、私は今言った通りだと思うんだよね。とは言ってもただの予想だから、また灯色さんが何か分かった時に教えて」
「うん、わかった」
「他に何か聞きたいことは?」
「えーと……あっ、能力の使い方!私、使いこなせるようになりたいです」
「それは…」
「?何か問題とかあるの?」
「いや…灯色さんの能力って、多分色とか色彩を操るとかそういう類いだと思うんだけど、私の能力とはベクトルが違うくて」
ベクトルとかあるのか。
それに、ふうりさんがここにきて初めて、口を濁した。ちょっと興味湧いてきた。
「…多分、うちの兄貴に聞くのが手っ取り早いと思うんだよね」
「あ、そういえばお兄さんも」
「うん」
「へー、ちょっと会ってみたいかも」
「あー、また今度ね」
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ひすい(プロフ) - tubinさん» わわ、嬉しいお言葉がたくさん!ありがとうございます。雪氏の挿絵も相まってキャラの可愛さが伝わっていれば幸いです…。モチベがあがるー!早めに更新できるように努力します(`∀´*)/ (2021年8月28日 0時) (レス) id: bcd955ca5c (このIDを非表示/違反報告)
tubin - ひすいさん» すごくおもしろかったです!! 無中になって読んでました!! 続きがすごく楽しみです!! 応援してます!! これからもがんばってください!! (2021年8月27日 10時) (レス) id: 73a03e30c5 (このIDを非表示/違反報告)
颯貴(プロフ) - 秘封活動録………秘封活動倶楽部を思い出した……wwそれはさておき面白かったです! (2021年1月27日 14時) (レス) id: 877859fa3c (このIDを非表示/違反報告)
ひすい(プロフ) - 梨李愛さん» な、何かが違う…。でもありがとうございます、梅酒呑みます未成年ですけど!!! (2020年11月24日 18時) (レス) id: 13e26514b2 (このIDを非表示/違反報告)
75。(プロフ) - 梨李愛さん» 梨李愛さんだ!(歓喜)推しの敵の弱点を頂きましたありがとうございます^^ ?「75と仲間になる確率が上がった!」 (2020年11月24日 17時) (レス) id: 262b134c7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひすい&雪。 x他1人 | 作成日時:2020年10月26日 21時