Last letter-beautiful killer- (ページ10)

今日:4 hit、昨日:9 hit、合計:14,079 hit

love is lie ページ10

HONGBIN SIDE

まだ... 君を愛しててごめん。

俺は... 君が遺した言葉を守れそうにない。

君がいない世界は、どうしようもない程辛い。

一度は捨てた。全ての感情を消した。

でも... どうしても... 君だけは消せなかった。

そんな俺の姿が、甚く不憫に映った。

このまま生きたらいい。息をすればいい。

ただ生きてさえいればいい。

そう言い聞かせたのに。

どうしてダメなんだ。

俺が大丈夫だと言ってるのに。

刃のように鋭く尖った君の

記憶の欠片にただ耐えているだけ。

あの頃

ただ見てることしか出来なかった俺は卑怯だったね。

でもそれしか出来なかった。

あの日、もう冷たくなった君の手を掴んだ俺は

誰の為に、生きていけばいいの?

本当は、君を離したくなかった。

これ以上俺達、離れたくなかった。

終わっても終わらない記憶に、勝つ自信が俺にはない。

愛なんて結局、一人にとっては嘘でしかない。

君は其処からちゃんと見守っておいてね。

両目をしっかり見開いて。君を失った俺の姿を。

君が俺をどう思ってるかなんて、もうどうでもいい。

でも俺を絶対忘れないで。

俺をその記憶から消さないで。
　

心臓を引き摺って歩いて、この道の終わりを決めて

溜息一つ落とした。

吸い込んで、また吐き出しては深い溜息をして

胸に広がる君を全部引き裂いた。虚しく。

俺の胸は音のない悲鳴を上げて、まだ残る残像を消す。

いや、消せなかった。君だけは... 何も。

.