BEAUTIFUL KILLER

illusion ページ34

N SIDE

リーダーだから、ヒョンだから...。

いつも、強いフリしてたのに。

どうして、Aはすぐ気付いたんだろう。

もしかして... 僕の気持ちも もう知ってる?







抱き締めたりしたら、ダメなのに。







LEO SIDE

君の前で、気付いてないフリ。

でも、僕は見た。

エンが、Aを抱き締めてるところ。







最初から、僕のモノでもない。

別に君のせいなんかじゃない。







でも、やっぱり嫌なんだ。






それは、僕がAを好きだから。









_______









カムバの手応えは、確実に。

やっぱり間違いじゃなかったと思えた。

待ってくれている人がいる、幸せに浸る。

こんな感覚、初めてだった。









僕の居場所は、本当は此処なんかじゃないのに。

そんなことくらい、僕が一番よく解ってる筈なのに。

僕は、いつまで続けるのだろう、 こんな無意味なことを。

皆を巻き込んでまで、僕は...。









ファンの姿を見て、揺らぎそうになる僕の中の悪魔。

思わず、錯覚してしまいそうになる。

僕があたかも初めから白だったかのように。

でも、それは幻想でしかない周りが作った僕。

白は黒に染まれても、黒は白にはなれない。









人は産まれた時点で、もう決まっているのかもしれない。

明日を生きる者と、今日を生きる者。

僕は後者。

一生、光の届かない暗い闇を生きる者。









僕は心の中で言う。

君達はまだ何も知らないから、僕の傍に居られるんでしょ?

知れば皆、離れてく。大丈夫。僕も、その方がいい。









ごめんね。

僕はその愛を、素直に受け止めることが出来ない。

君のせいじゃない。全部僕のせいだよ。

だから、忘れて。僕の事なんて綺麗に。

初めから何もなかったように、消して。君から。









僕達を見て、満足そうにする君達を見て

引き返すことの出来ない道に立っている自分が

堪らなく嫌に思えた。

歓ぶ君達の笑顔は、僕には眩し過ぎるから。









どうして産まれてきたんだろう、僕は。

もし人間が死んだ後

生まれ変われる生き物だったとしたら

僕はただ、ありふれた人生を望むんだ。

それだけでいいのに。









僕は、産まれてきた事をずっと 後悔してたんだ。

こんな世界なら、いっそ消えた方がマシだと。

でも、どうして今 こんなに心が温かいんだろう。

ねぇ、どうして。









.

regret→←N

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す