BEAUTIFUL KILLER

a penny for your thoughts? ページ18

LEO SIDE

ようやく待ち望んだデビューを迎えて

嬉しくて、悔しくて、ほっとして

気付いたら、瞳から涙が流れていた。

皆も泣いていたのに... Aは涙一つ流さないね。




僕達、辛い時間も、楽しい時間も沢山

一緒に過ごしてきたのに。

なのにどうして君は...

嬉しくない訳じゃないでしょ?

あんなに頑張ってた君なのに。





いつも、僕の隣で眠るAの小さな手を そっと握った。

可愛らしい手。

でも、その手は驚く程に冷たい。




まるで、人形のように血が通ってないみたい。

人間じゃないみたいだった。




...確かに君は、いつも僕達の傍に居るのに

いつも此処じゃない、何処かを見てる。




ねぇ、僕は此処に居る。

君のすぐ傍に、いつだって居るよ。見えない?





君は確かに此処にいるのに、此処にAはいなくて

手を握ってても、遠い。

僕達は繋がってるのに、どうして?




ねぇ、何処にも行かないでよ。

此処にいて。お願いだから。

そんなこと...

一人、 Aの手を握りながら思った。









HONGBIN SIDE

酒は弱いって言ってたのに

俺達と変わらないくらい呑んでいた君。

案の定、帰り道は危なっかしくて見てられなくて

宿舎まで君の肩を抱いて、帰った。




シャワーを浴びてる時も正直、気が気じゃなかった。

君と一緒に入れる訳もない俺は、ただ君を待った。




風呂から上がったと思ったら、布団にダイブ。

ヒョンが君に優しく布団を掛けてる様を

俺はただ、見つめることしか出来なくて。





やっとデビュー出来たのに、涙も流さないで

何かを打ち消すかのように、酒を呑んで呑まれてた君。




酔ってる君は... それは可愛かったよ。

でも普段の君なら

そんな姿見せるのは嫌がる筈なのに... どうして?





君のステージは完璧だった。

一番人気があるのも分かる。

だけどどうして...

君の周りにはこんな空気ばかり流れてる?

呑めない君がこんなに呑む理由は何?






君に触れたくて、そっと手を伸ばして小さな手を握った。

君の手からは、何の温度も感じられない。

...ちゃんと生きてるか、心配になった。





いつも君が哀しい瞳をするから

何処でもないような、遠い先を見つめて

君がいつも哀しい瞳をするから。






...何を考えてる? 君はいつも。






繋いだ手。指を絡めた。





俺達もこんな風になりたい。





簡単に解けないような何かで、君と繋がっていたい。

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