BEAUTIFUL KILLER

meaning of the happiness ページ15

もう朝か。

瞼を開けると僕を見つめてる

ホンビンの顔が見える。






「...何?」





HB「いや... 綺麗な寝顔だなと思って。」





「...おまえ...変態? いつから見てた?」




HB「随分前から。」




「...おまえ、男が好きなのか?」




HB「いや... 違うけど。 おまえは、綺麗だ。」





「僕は... 女が好きだ。」





HB「分かってる。」





朝から、一体何だ? イ・ホンビン。

調子が狂うから、止めて。





「ホンビン。僕、シャワー浴びてくる。」




そう言って、寝室を出た。

今日のホンビンは、少しおかしい。




シャワーを浴び終わった頃には、もう皆も起きていた。

朝食を食べて、練習室へ向かった。

毎日続く、練習。

僕も少しは、成長してる?




夜更けまで練習は続き、宿舎へ帰る。

夕食も食べてきたから、あとはもう寝るだけ。





いつも、最後に浴びるシャワー。

やっと一人になれる、唯一の時間。




服を着ている僕は、もう一人の僕。

何も纏ってない僕は... あの頃の僕。





傷痕をなぞると、思い出す。

僕の記憶から、消してしまいたい過去。

僕の身体、全部。





あんな記憶なんて、全部消えてしまえばいいのに。

初めから何もなかったみたいに

全部消えてしまえばいいんだよ。







当たり前に続く、この日々は

僕を光の中へ、導こうとしている。






本当は僕... 此処に居るべき存在じゃない。





どうしてこんな僕を、君は必要とする?

どうしてこんな僕に、優しくなんてする?





皆が優しいから、僕は安心してしまう。

まだ此処に居たいと思ってしまう。





まだ出会ったばかりなのに

どうしてこんなに僕、揺さぶられてる?

こんなんじゃダメだと、ブレーキを掛けてもダメだ。





どうして僕は...

...そんなこと、僕が許される筈ないのに。





今日も、僕の髪を乾かしてくれたヒョン。

...優しくなんてしないでよ。





今迄僕は、誰にも優しくされたことなんてなかった。

優しく僕に触れる人間が

この世にいるなんて... 僕は知らなかった。






このままずっと、知らない方が良かった。

今更もう、遅いんだよ。此処まで来て。






僕が今迄生きてきた日々が無駄じゃないというのなら

ねぇ、誰か僕に幸せの意味を教えて。






もう、痛いくらいでいい。この胸に刻み込んでよ。





死んでも忘れられないくらい、深くでいいよ。

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