恋を拾う。 (ページ26)

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「のーぞむ」
「お、流星。どう？あそこは上手くいきそうなん？」
「行くと思うで！」

やって前から両想いやもん。と嬉しそうに言う流星が俺の隣に座る。
可愛いなぁ、と見つめているとその視線に恥ずかしくなったのか、そんな見んといて、と目線を逸らされてしまった。

「こっち向いてーやぁ」
「今顔赤いから嫌や、」
「その顔も可愛ええから、見せて？」

なぁなぁ、と顔を覗きながら言っていたら、ぐいっと残りのビールを一気に呑んだ淳太が不機嫌そうに呟いた。

「ちょっと、そこいちゃつかんといてくれませんか」
「ええやん、付き合ってるんやしー」
「目の前でされるとイラつくんやけど！」

と、俺の髪を乱暴に撫で回していた淳太が、ふと思い出したように、そうや！と流星の方を向いた。

「流星、」
「はい」
「望に初めて会った時ってどう思ったん？」

あの時、部屋の前に居たボロボロの姿と、衝撃的な言葉を、流星はどう思ったのだろうか。

「正直…何を言ってるんやろ、って思いましたね」
「え、望何言ったん？」
「俺の事、拾ってくれませんかって言われました」

ふふ、と笑いながら言われて、顔が赤くなる。
淳太と濱ちゃんは驚いて開いた口が塞がっていなかった。

「でも…最初は驚きましたけど、一緒に生活するのが楽しくて」
「流星…」
「いつの間にか望が居なくちゃ寂しい、って思うようになって……気付いたら好きになってました」

流星の手をそっと上から手を握る。
横を見たら幸せそうに微笑んでいた。

──この顔を、ずっといつまでも隣で見ていたい

改めてそう、思った。

「流星、」
「ん？」
「愛してるよ」
「っ……！！なん、もう……！」

あの日偶然出会った優しくて綺麗な人は、俺の一生守りたい人になりました。

End.