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チャイムが鳴ったから出ようと立ち上がろうとしたら、グイッと引っ張られて、望の腕の中へと逆戻りした。


「こら」
「やってぇ…もっといちゃいちゃしたいねんもん、」
「俺もしたいけど…無視は出来ひんから離して?な?」

と、上目で見つめてお願いしてみたら、うぅ…と言ってしぶしぶ身体を離してくれた。
ありがと、と言って頬にキスをしたら放心状態になってしまったけれど。


「はーい」
「りゅーせー!!!!」
「うぉっ?!!ビックリしたぁ…!」

玄関の扉を開けた瞬間に、襲いかかかってきたのは神ちゃんだった。
その後ろには、色々入ってるであろう袋を両手に抱えたしげがおった。


「神ちゃんがなぁ、心配やから家行く!って…」
「やって流星1人やろ?お粥とか作らな……ってあれ?」


誰かおるん?って玄関に置いてある靴に気付いて。
ふふ、と笑った俺を見てしげが、あぁ!と声を上げた。


「もしかして…!」
「ん。そのもしかして。」
「良かったな」
「おん…ってわっ、」

ぐしゃっと俺の頭撫でるしげの顔は、自分の事の様に喜んだ顔をしていて。
たくさん心配を掛けてしまったのだと気付いた。


「しげも神ちゃんも、ありがと」
「良かったぁ」
「……流星?」

後ろからそっと名前を呼ばれて振り返ると、望が心配そうにこっちを見ていて。
手招きをして呼んだ。



「初めまして…!小瀧望です、」
「望…なんでそんな緊張してん?」
「やって!流星のお友達さんやし…あの…」
「…小瀧さん」


神ちゃんがちょっと真面目な顔で、声を発した。
その顔に背筋が伸びる望。


「…もう、流星の事…悲しませんといて下さい」
「神ちゃん…?」
「今度、悲しませる様な事あったら、許さんから!」


バシッと望の肩を叩いてそう言った神ちゃんは、先程の顔とは違って笑っていて。
はいっ!と答えた望と、そやそや!許さんで!と言ってるしげとの3人の姿を見たら、嬉しくて泣きそうになった。



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作者名:きー | 作成日時:2017年7月10日 23時

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