検索窓
今日:15 hit、昨日:7 hit、合計:96,395 hit

10 ページ10

「…望、くん、」

くい、と手を引かれて振り返る。
ようやく見れた顔はさっきの泣きそうな顔じゃなくて、申し訳なさそうな顔をしていて。
そして、深々とお礼された。


顔を上げてもらって、近くにあったベンチに並んで座る。
すると、ゆっくりと話してくれた。


「……あの人、元彼なんです…」

大学の1つ上の先輩で、1年くらい付き合っていた事。
向こうが就職で地方に行く事になって、仕事し始めたら全然連絡が取れなくなった事。
そしてつい最近、いきなり連絡が来た事。


「ごめんの一言も、何も無かったんですよね。会いたい、ただそれだけで。」
「…はい、」
「さっき…望くんの事を待ってたら……突然名前呼ばれて…」


何で、連絡返してくれへんの、って…言ってきて……とぽつりぽつりと下を向いて話す流さんは、どこかに消えてしまいそうで。

膝の上に乗っていた手を包んでいた。
驚いて、顔を上げた流さんの目を見て伝える。


「俺、流さんの事…守りたいんです」
「…っ」
「俺年下だし、頼りないかも知れないですけど……一緒にいたいって思ってます」
「望、くん……」
「……好きです。オレと付き合って下さい」


そう言うと、流さんはまた目を見開いて驚いた顔をしたけれど、その後にふわりと綺麗に笑って。
胸がドクンと音を立てて鳴った。




「うちも…望くんの事、好き…」
「え…」
「よろしくお願いします」



掴んでた手引き寄せて、抱き締めた。
するとゆっくりと、そっと背中に腕が回った。


「…大好きです、」
「ふふ、うちも… 」

大好きです、と小さな声で言った、腕の中の綺麗で可愛い恋人を、もうずっと離さないように、ぎゅっと力を込めた。



next.

11→←9



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (102 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
263人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

きー(プロフ) - rikさん» お返事遅くなってしまってすみません(;;)コメントありがとうございます!!とっても嬉しいです(*^^)次回もそう言って頂けるよう頑張ります! (2017年7月10日 23時) (レス) id: fa663ad899 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - 凄く面白かったです。幸せな気分になれました。完結おめでとうございます。次回作楽しみに待っております。 (2017年7月7日 16時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
R.(プロフ) - きーさん» はい!待ってます!!無理せず自分のペースで頑張ってください! (2017年7月5日 7時) (レス) id: 9e4dd4c96b (このIDを非表示/違反報告)
きー(プロフ) - R.さん» 読み返して頂いてるなんて…嬉しすぎます(;;)たくさん更新出来るように頑張ります! (2017年7月4日 22時) (レス) id: fa663ad899 (このIDを非表示/違反報告)
R.(プロフ) - きーさん» はい!何度も読み返してはキュンキュンしてます!更新待ってます!! (2017年7月3日 0時) (レス) id: 9e4dd4c96b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きー | 作成日時:2017年5月17日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。