検索窓
今日:17 hit、昨日:7 hit、合計:96,397 hit

ページ9

大学やバイトをしてたら、あっという間に日にちが経ってて、流さんとの出かける日が来た。

新しい服を買って、美容室も行った。
かっこいい、って思ってくれるといいな、と浮き足立つ。
(気合い入りすぎやろ、としげにツっこまれたのは気にしない)


待ち合わせ場所に向かっていると流さんを見付けて駆け寄ろうとしたら、男の人と話していた。
けれど、雰囲気がおかしい。


「流、なんで連絡返してくれへんかったん?」
「…やってもう別れとるもん、必要ないやん」
「…俺、別れたつもりなかってんけど、」
「こないだまで1度も連絡来んかったら……そう思うやん…」

近付いていくとそんな会話が聞こえて。
楽しい会話じゃなく、胸が苦しくなる。


「なぁ…俺、まだ流の事好きやねん」
「……うちは…もう好きやない」
「またこうやって会えたんも縁やと思うんよ」


やから、と言葉を続ける男の人を見る流さんの顔が、今にも泣きそうで。
そんな顔を見たくなくて、駆け出して流さんを隠す様に男の人の前に立った。


「あの、すみません」
「!!」
「もうやめません?」
「は?」
「泣きそうな顔してるの、気付いてないんですか?」


そう言うと、流さんの顔を見てやっとその事に気付くその人。
流さんの手をゆっくり取ると、少し震えていた。


「突然付き合ってる人とずっと連絡取れなくなったら……どう思いますか…?」
「…」
「いきなり連絡してきて、まだ好きだって…自分の事しか考えてないですよね、」

流さんの事、考えました?と聞くと目線を外して、居心地の悪い顔をする。
流さんの震える手を、大丈夫だと伝える様に強く握る。


「流さんの事、大事にします」
「…!!」
「絶対泣かせません、任せてください」
「っ…」
「行きましょ?」


握った手を引いて、一礼して歩き出す。
流さんが、どんな顔しているかは見れなかったけれど、握った手に力が込められたのを感じた。



next.

10→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (102 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
263人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

きー(プロフ) - rikさん» お返事遅くなってしまってすみません(;;)コメントありがとうございます!!とっても嬉しいです(*^^)次回もそう言って頂けるよう頑張ります! (2017年7月10日 23時) (レス) id: fa663ad899 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - 凄く面白かったです。幸せな気分になれました。完結おめでとうございます。次回作楽しみに待っております。 (2017年7月7日 16時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
R.(プロフ) - きーさん» はい!待ってます!!無理せず自分のペースで頑張ってください! (2017年7月5日 7時) (レス) id: 9e4dd4c96b (このIDを非表示/違反報告)
きー(プロフ) - R.さん» 読み返して頂いてるなんて…嬉しすぎます(;;)たくさん更新出来るように頑張ります! (2017年7月4日 22時) (レス) id: fa663ad899 (このIDを非表示/違反報告)
R.(プロフ) - きーさん» はい!何度も読み返してはキュンキュンしてます!更新待ってます!! (2017年7月3日 0時) (レス) id: 9e4dd4c96b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きー | 作成日時:2017年5月17日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。