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あれから数ヶ月。
ベタ惚れ、の理由は未だに分からないまま。
知りたいけれど、無理に聞くのはあれだから聞いていない。
「美味かったぁー!」
「ふふ、良かった」
今日は望のお家にお泊まりで。
夜ご飯を一緒に作って食べて(望リクエストのハンバーグ)、ソファーに座ってのんびりテレビを見る。
ココアでも入れようかと立ち上がろうとすると、腕を掴まれて、バランスを崩してしまってそのまま望の腕の中へと導かれた。
「ビックリしたぁ……」
「ごめん、」
「んーん、どないしたん……っん、」
顔を上げると、突然キスされて。
唇が離れて望を見ると、真剣な顔をしていた。
流、と名前を呼ばれて、左手を取られ、するりと小指にはめられたのは。
「……こ、れ…」
「ずっと…流に指輪、贈りたかってん」
「ずっと…?」
「おん」
キラキラと輝く指輪。
綺麗すぎて涙が出てくる。
泣かんといて、と頬を伝う涙を親指で拭いながら笑う望が、好きで好きでたまらない。
「……俺、絶対に流の事離さん。幸せにするから…ずっと一緒におって欲しい」
望から贈られる言葉が全部プロポーズみたいで。
嬉しくて、勢い良く抱き着くと、わっ!と驚いて後ろに倒れた。
「いる!ずっと一緒におる!」
「…ありがとう」
今度は望が泣きそうな顔をしていて。
その顔が可愛くて、愛しくて、きつく抱き締めた。
***
後日、仕事終わりにスーパーに寄ると、濱ちゃんがおって。
話していると、すぐに指輪に気付いた。
「あっ、その指輪貰ったんや」
「へ?」
「のんすけな、ずっと悩んどったんよ」
どの指にするかで意味変わるからどの指か、どんなデザインが好きかな、とか色々な。
そう笑って言う濱ちゃん。
「相談されとったんよ。やけど秘密にしとって!って頼まれて」
「そうやったんや…」
「左手の小指ってな、幸運を逃さないって意味があるんやって。
流とおれる幸せ、逃したないって真剣な顔して言っとったわ」
望が、そんな事思ってくれてたなんて知らなかった。
幸せ過ぎてどうにかなりそう。
指輪を撫でると愛しさが増す。
「ベタ惚れ、って意味分かったやろ?」
「ふは、おん。」
大好きな彼と、これからもずっといられますように、そう願った。
隣の薬指に、綺麗に輝く指輪がはめられてるのに気付いて、呆然としてると。
起きた望に、結婚して下さいと言われて、嬉し泣きしてしまうのは、数年後の誕生日の朝のお話。
End.
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きー(プロフ) - rikさん» お返事遅くなってしまってすみません(;;)コメントありがとうございます!!とっても嬉しいです(*^^)次回もそう言って頂けるよう頑張ります! (2017年7月10日 23時) (レス) id: fa663ad899 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - 凄く面白かったです。幸せな気分になれました。完結おめでとうございます。次回作楽しみに待っております。 (2017年7月7日 16時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
R.(プロフ) - きーさん» はい!待ってます!!無理せず自分のペースで頑張ってください! (2017年7月5日 7時) (レス) id: 9e4dd4c96b (このIDを非表示/違反報告)
きー(プロフ) - R.さん» 読み返して頂いてるなんて…嬉しすぎます(;;)たくさん更新出来るように頑張ります! (2017年7月4日 22時) (レス) id: fa663ad899 (このIDを非表示/違反報告)
R.(プロフ) - きーさん» はい!何度も読み返してはキュンキュンしてます!更新待ってます!! (2017年7月3日 0時) (レス) id: 9e4dd4c96b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きー | 作成日時:2017年5月17日 1時