【銀魂】夢は、青い薔薇のようだ

31 ページ32

約束を護ってくれた晋助さんは、ひとつの布団の中で私を抱きしめた。たくましい腕は私をすっぽりと包み込み、隙間がないくらいに強く腕を回す。

眠った後もこのままで、目が覚めても彼がいるとはなんと幸せなことなのだろう。




『……眠れないのか？』

『だって、眠って目が覚めた時が朝なら……ずっと起きていればまだ朝じゃないですよね？』

『屁理屈捏ねてないで早く寝ろ』




でも言葉とは意に反して彼の口調はとても柔らかく感じる。私の後頭部に手を添え、優しく撫でるように髪を梳いた。

私は彼から少し距離を取り、顔を見つめようと見上げれば口元は自然に緩んでしまう。



晋助さんはそんな私に呆れを含んだ息を吐いて、「俺は寝るぞ」と目を閉じる。それに慌てた私は彼の頬を突き、「起きて下さい」と訴えた。



数回つついて入ればその手をいきなり掴まれ、彼は私にひとつ口付けを落とす。そうしてゆっくりと離れた晋助さんは、満足そうに笑ったのだ。







『……だいすきです』




たちまち瞼が重くなる私は今の言葉を現実で言ったのか、夢で言ったのか……ボンヤリとした頭では判断がつかないも、彼に届いてくれたらなんだって良いのである。



朝目が覚めた時、眠たい目を擦る私の顔を見てクスりと微笑む晋助さんを一番最初に視界に映したい。



そうしてきっとまた、素敵な朝が始まるのだ。

32→←30

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す