【銀魂】夢は、青い薔薇のようだ

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『三千世界の鴉を殺し……』
『主と朝寝がしてみたい』





身体の調子を取り戻してきた朝に、彼の薄い唇から零れた言葉。全ての意味を理解するよりも、私は直感で晋助さんからの想いを感じ取る。

それはあんまりにも愛おしく、窓の外を眺める彼に触れ合うくらい傍へ近寄った。





『貴方の周りには、随分と煩い鴉がたくさん飛んでそうですね』

『違いねェ』




くくくと笑う晋助さんは、ちょうど窓の外から見える空へ飛び立つ鴉に目を細める。数本の羽が抜け落ちていくが、それでも大きく羽ばたいていた。


私をバカにしたように鳴き、遠くの空へと姿をくらませてしまう。





『でも、本当に殺したら……』
『一緒に朝まで過ごしてください』




私が差し出した小指に彼はしっかりと指を絡めた。触れ合う手と交わす瞳。全てが愛おしくて朝までとは言わずに永遠と感じていたい。


しかし夢はいつか醒めるもの。長い間感じてしまえば、夢現を彷徨いかねないのである。



でも……彼の夢なら溺れてしまっても構わない。そのまま呼吸ができないくらい苦しくなって、息絶えたとしたら、なんて幸せな死に方なのではないだろうか。



私にはもう迷っている時間もないのだ。やりたいこと、して欲しいこと。伝えたいことに言われたいこと。

その全てを叶えるのは難しいから、人は優先順位を作る。




一番最初はあの人。

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