Blue ページ6
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彼は駅近くのお店を予約してくれていたようで、そのまま座席に案内される。
｢予約してくれてたの？｣
｢まあね｣
得意げに笑う顔はどこかあどけない。
｢ありがとう｣
お礼を言うと、彼は少し意外そうな顔をして｢どういたしまして｣と言った。
｢何飲みたい？｣
それからさりげなくメニューをこちらに向けてくれる。
彼の行動ひとつひとつに、ああ皆が好きになっちゃうんだろうなあという気遣いが溢れていた。
｢ビールにする｣
｢結構飲める？｣
｢飲めると思うよ｣
｢いいねー｣
笑うたびに笑窪が浮かぶその顔はほんとうに綺麗で思わず見とれてしまう。
｢何か顔についてる？｣
｢え？｣
｢さっきからずーっと見られてるから｣
｢いや、笑窪｣
｢笑窪？｣
｢そう、笑窪。それチャームポイントだね｣
私のその答えがお気に召したのか、彼はずっと嬉しそうにふわふわと笑って笑窪を浮かべていた。
｢ありきたりなこと聞いてもいい？｣
次はジェヒョンが私に質問する番だった。
｢どうぞ｣
｢仕事は何してるの？｣
｢看護師｣
｢すごいね。誰でも出来ることじゃないよ｣
｢誰だってできるよ、資格さえあれば｣
｢そうかな、少なくともおれは出来ないよ｣
｢そんなことないよ。ジェヒョンは何してるの？｣
｢営業｣
｢いいね、その顔だけで顧客がつきそう｣
｢それって褒めてる？｣
｢褒めてるよ。外見の良さは最大の武器だよ｣
｢なにそれ、Aって面白いね｣
そう言って柔らかく笑う彼に早速絆され始めている私がいた。
こういう決まりきったやり取りが心底面倒だと思っていたはずなのに、ジェヒョンとだと、どうしてかとてつもなく楽しく感じる自分がいる。
一目惚れなんて、もう許される年齢じゃないのにな。
恋に恋していたあの頃の自分が戻ってくるような感覚。
内心私は浮かれていたんだと思う。きっとそうだ。
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凛樹(プロフ) - 優。さん» 励みになるコメントありがとうございます。これからも頑張りますね⭐️ (3月14日 12時) (
レス) id: 166a2c7c26 (このIDを非表示/違反報告)
優。(プロフ) - ジェヒョンの魅力的なところが細やかに表現されていて、とても面白いです。特に主人公がジェヒョンに落ちてしまう流れが綺麗すぎました！ (3月3日 9時) (レス) @page8 id: 6fd716d240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛樹 | 作成日時：2023年9月23日 2時
