Blue ページ14
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｢ていうか、弟いたんだね｣
家まで向かう電車の中、意識しないようにと必死に話題を探して振る。
｢本当の弟じゃないけど｣
｢それ聞いても大丈夫な感じなの？｣
｢あ、複雑な関係とかじゃない。後輩なんだけど、男の2人暮らしって誤解されやすいから兄弟ってことにしてるだけ｣
｢なるほど？｣
｢まあでも似てるかも｣
そこでジェヒョンは何かを思い出したように笑った。
ジェヒョンはだいたいいつも笑っているけど、初めて見る表情だった。
｢本当の弟みたいに大切なんだね｣
｢どうして？｣
突然そんなことを言われて、不思議に思ったらしい。
｢顔みたらわかるよ。本当に大切な存在なんだなって｣
｢ほーう｣
その気の抜けた返事に思わずこちらもつられて笑ってしまう。
｢Aは兄弟いないの？｣
｢いるよ。弟が1人｣
｢へえ。似てる？｣
どうだろう、似ているのかな。
｢似てるとか似てないとか、意識したことないかも｣
｢そういうもんなの？おれ、本当はひとりっこだからよくわからないけど｣
｢そういうものじゃないかな｣
｢じゃあいつか会わせてよ。その時はおれが似てるか似てないかジャッジするから｣
どうしてそんな簡単に、未来の話をできるんだろう。
ジェヒョンが発する一言に踊らされている私はとてつもなく滑稽なんだろう。
気づけば最寄り駅。
｢降りるよ｣
ジェヒョンに手を引かれて電車を降りる。
今ならまだ、間に合うのに。
頭の中で鳴り響く警鐘を聞こえないフリした。
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凛樹(プロフ) - 優。さん» 励みになるコメントありがとうございます。これからも頑張りますね⭐️ (3月14日 12時) (
レス) id: 166a2c7c26 (このIDを非表示/違反報告)
優。(プロフ) - ジェヒョンの魅力的なところが細やかに表現されていて、とても面白いです。特に主人公がジェヒョンに落ちてしまう流れが綺麗すぎました！ (3月3日 9時) (レス) @page8 id: 6fd716d240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛樹 | 作成日時：2023年9月23日 2時
