Blue ページ2
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社会人4年目、20代も折り返し。
そんな歳になれば飲みの席に出てくる話題も必然とそういうものになってくる。
ほら今日だって。
「実は今日、皆さんにご報告がありまーす！」
宣言と共に彼女が出した左手の薬指には、安い居酒屋には不釣り合いなくらい、眩く光る綺麗な石。
「え、いつの間に？」
「この間もう無理かもって言ってじゃん」
同じ空間を共有しているはずなのに、何故か1人だけ取り残されたような、そんな感覚になることがある。
それがまさに今だった。
「A顔しんでる」
隣に座っているユリは苦笑いしてそう言った。
「ごめん、祝い事なのにね」
「ま、良いんじゃない。どうせあの子ら気づいてないよ」
そのまま気持ち良さそうにビールを飲むユリの真似をして、私もグラスに口をつけた。
別に恋愛に興味が無いとかそういうんじゃないけど。
だけど誰かと付き合うのって、楽しいとかより煩わしいとか面倒くさいとか、そういうマイナスな面ばかりが気になってしまう。
「どしたの、ぼーっとして」
「いや、ううん」
「あんただってさぁ、顔は良いんだからたまにはハメ外せばいいのに」
そうやって暢気に好き勝手言うユリも、同棲中の年上彼氏ともうすぐ籍を入れる予定らしい。これはまだみんなに公にしていないけど。
「だって恋愛ってコスパ悪いじゃん」
「コスパって、はあもう本当さぁ…。歳とってからあれこれ後悔しても遅いんだよ」
「大丈夫、後悔したりしないよ。仕事は楽しいし、こうやって集まってくれる友達もいるし」
「でもやっぱり良いもんだよ。何かあった時に自分を好きでいてくれる存在がいるのってさ」
「…ユリがいるからいいの」
「何それ嬉しいんだけど。でも、そうじゃなくてさ。最近はマッチングアプリとかもあるじゃん。どこに何があるかなんてわかんないよ」
「えー、いいよ。新しい人に会うのって面倒だし、出会い求めてる訳じゃないよ」
「ま、そういう人に限って案外コロッとのめり込んだりするんだよ」
「うーん…そうかなあ」
その言葉に何だか少し納得出来ない私がいた。
恋愛なんかに振り回されて、自分の気持ちが自分でも自制出来ないなんて、私には想像もつかないし、何よりそんなふうに心の底から好きになれる相手なんて、私には現れない様な気がした。
彼氏や婚約者の話で盛り上がるみんなをどこか違う世界の人のように眺めていた。
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凛樹(プロフ) - 優。さん» 励みになるコメントありがとうございます。これからも頑張りますね⭐️ (3月14日 12時) (
レス) id: 166a2c7c26 (このIDを非表示/違反報告)
優。(プロフ) - ジェヒョンの魅力的なところが細やかに表現されていて、とても面白いです。特に主人公がジェヒョンに落ちてしまう流れが綺麗すぎました！ (3月3日 9時) (レス) @page8 id: 6fd716d240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛樹 | 作成日時：2023年9月23日 2時
