青い空間。 32 (ページ8)

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M side

智「いやっ！はぁっ、はぁ....」
雅「大丈夫。ゆ～っくり息吐いて？」
智「ひっく、なぐら、ないでっ...」
翔「だ～れも智くんの事殴ったりしないよ？大丈夫大丈夫...」
「リーダー、ここに灯りあるよ。ほら見て？」
ニ「何にも怖いことないからね...」

俺がライトを照らした先に居たリーダーは、過呼吸寸前で完全にパニック状態。

4人で周りを囲んで宥めても一向に落ち着く気配が無くて、俺たちは改めてリーダーが持つ過去の壮絶なトラウマの深刻さを思い知らされていた。

俺たちと出会う前から大人しい性格故、学生時代に『いじめ』の標的となり、真冬に頭から水を掛けられたり、故意に階段から突き落とされたりして大怪我を負うこともあったというリーダー。

その中でもロッカーや体育館の倉庫に閉じ込められることが多かったみたいで
智「くらいとこ、こわくてっ...」ってデビュー後初コンサートの舞台袖で次のステージで着る衣装を持ったまま動けず泣いてた姿は今でも胸に焼き付いてて、それ以来なるべく長い時間暗いところに居るのは避けるように工夫しながら過ごしてきたんだ。

だけど今日みたいな自然災害やライブの時の照明の不具合で突然その場の電気が全て消えたりすると、過去の記憶が一気にフラッシュバックしてパニック状態に陥ってしまうリーダー。

ここ最近は現場で大したトラブルもなくて安心してたけど
智「ごめんなさぃっ...ごめんなさぃっ...」と尋常じゃないくらい身体を震わせて泣く姿に、俺たちはただひたすら寄り添い続けるしかなかった。