青い空間。 32 (ページ6)

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二宮 side

松本先生が見つけてきてくれた『あるもの』とは『タブレット端末』を使っての勉強方法。

主に発達の遅れがある子やコミュニケーションが苦手な子が使うことが多いけど
「ここにはね、い～っぱい本が入ってて、ここを押すと...」と試しに昔話の『桃太郎』を選んで『おんせい』と書いてある所を押すと『桃太郎。昔むかしあるところに...』って電子書籍の音声ガイドがあることに魅力を感じて、一度取り入れてみようと思ったんだ。

すると、最初は少し驚いてたけど
翔「これスゴイね智っ！これならたくさん本読めるね＾＾」ってお父さんの喜ぶ顔を見て
智「いっぱい、ほん、よめる...？」と少しずつ興味を持ってくれた智くん。

だからその好奇心を大切にしながら
「うん＾＾智くんが気になった本、た～くさん読めるよ＾＾」
松「文字の形を変えたり、大きさも色も変えられるんだよ？」ってこの機械のスゴイ所を松本先生と一緒に優しく、丁寧に伝えたんだ。

そしたらだんだん目がキラキラしてきて
智「とーちゃ...」
翔「ん？どしたの＾＾」
智「かんそーぶん、ゆっくりでも、いぃ？」
翔「うん。智のペースでいいんだよ＾＾これで本読んで、一緒に書いてみる？」
智「...んっ＾＾」と読書感想文を書く気持ちになってくれた智くん。

もちろん俺たちもそのやる気を全力でサポートする旨を伝えて、とりあえず明日からは『保健室登校してみる』って事で話は終わったんだ。

そして次の日、朝の会の終わりに保健室を覗いたら
相「あっ！智くん、二宮先生だよ＾＾」
智「ぁ、せんせっ...」と相葉先生の隣でイスに座っていた智くん。

「おはよう智くん。頑張って来れたね＾＾」
そう言って目の前にしゃがむと、初めて俺の目を見て照れくさそうに微笑んでくれて、俺はその可愛らしい笑顔をこれからどんどん増やしていきたいと思った。
END