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松本 side
ニ「ここが3年1組の教室で、智くんの席はこちらになります^^」
翔「へぇ〜綺麗な教室ですね^^智のお席ここだって。座ってみる?」
智「ん〜んっ...」
二宮先生を先頭に教室まで移動してきても、頑なにお父さんの背中から離れようとしない智くん。
そんな姿を見た俺と二宮先生は、改めて智くんの心の傷の深さを思い知り
ニ「うん、まだ怖いよね。無理して座らなくていいからね^^」
「もし立ってるの疲れちゃったら、いつでも座ってね?」って軽く声を掛けて、あとは一定の距離を保ちつつ、智くんの夏休み中の過ごし方だったり、普段どんなことをしてるのかをお父さんに聞いたりしてしばらく様子を見てたんだ。
すると20分後
智「とーちゃ...」
翔「ん?どしたの、疲れちゃった?」
智「...ん。」
翔「ここ座る?」
智「とーちゃ...ずっと、いる?」
翔「もちろん。どこにも行かないよ^^」って流石にランドセルを背負ったままずっと立ち続けるのが疲れたのか、お父さんの顔をじっと見て安心してから自分の席にゆっくり座った智くん。
そして
智「ぁ...にの、みゃ、せんせっ...」と小さく二宮先生の名前を呼ぶと、背負っていたランドセルから少しシワのできた夏休みの宿題を取り出し
智「こ、れっ...やり、ましたっ...」って小刻みに震えながら目の前の机にそっとそれを置いたんだ。
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作者名:みのり | 作成日時:2022年8月18日 15時