青い空間。 32 (ページ16)

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N side

「大野さん、翔さんが呼んでるよ＾＾行く？」
智「ん～...ん。」
「行くのね？じゃあお顔見せて？」
智「...ん。」

優しい翔さんの声が耳に届いたのか、俺の問いかけにも小さく反応して、ようやく顔を上げてくれた大野さん。

「掴まったままでいいから、あっちまで歩くよ？」と二人三脚みたいにして翔さんが居るソファーまで移動すると
翔「ほら、こ～んなにたくさん服持ってきてくれたよ＾＾どれがいい？」って大野さんの手を取って一つ一つ服の生地を触らせてあげてて、苦手な生地が無いことが分かってきたらさっきまでパニック寸前だった大野さんの唸り声もだんだん減ってきたんだ。

そして
智「こ、れ...」
翔「これにする？よしっ！じゃあお着替えしよっか＾＾」と自ら気に入った衣装を選んで、翔さんの手を借りながらその場で着替え始めた大野さん。

10分後
翔「よし、で〜きた＾＾めっちゃ似合ってるよ！」って翔さんの声が響き渡った先には、中にネイビーのシャツを着て白と青のチェック柄のコートに濃い目のジーンズを履いた大野さんが
智「...んふっ＾＾」と少し恥ずかしそうに笑ってて、俺たちはその姿にホッと胸を撫で下ろしたんだ。

それからみんなで大野さんの少し赤くなってた目を保冷剤で冷やしてあげて
智「おくれて、ごめんなさい...」
カ「大丈夫大丈夫＾＾じゃあ始めよっか！」と優しいカメラマンさんにも恵まれてようやく始まった撮影。

出来上がった写真の真ん中で、いつものふにゃっとした笑みを浮かべる大野さんを見た俺は、その笑顔をこれからもずっと守り続けたいと強く思った。
END