青い空間。 32 (ページ13)

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S side

ニ「大丈夫大丈夫...」
智「でも、めーわく、だしっ...」

俺が暑さでじわじわ出てくる汗と格闘してたら、遠くの方から微かに聞こえてきた話し声。

その声のする方へ目を向けると、まだ私服姿の智くんを抱きしめてるニノとその胸の中にすっぽりと収まって俯いてる智くんが居て
「ニノ～どした？」って歩み寄ったら
ニ「あぁ翔さん＾＾ちょっとこれの事で...」と裏地にボアが付いたジャケットを見せられたんだ。

その生地を触った瞬間
「あ～...こりゃダメだね。」
ニ「ですよね？ちょっとゴワゴワしません？」と智くんが着れない原因が分かり、納得した俺。

後からやってきた2人も
雅「ん～...長く着てるとチクチクするかもね。」
潤「タグも付いたままだしな。」とジャケットを少し触っただけで智くんがどうして着れないかが分かって
潤「リーダー、一緒に衣装さんにお願いしに行こ？」って潤が優しく智くんの頭をポンポンと撫でたんだ。

でも小さく首を横に振り
智「きないと、また、いわれちゃうもんっ...」と今にも泣きそうな声でニノの胸に顔を埋めた智くん。

その『また』という一言に胸が痛んだけど
「もうあんなこと言う人いないよ？」
雅「みんなで行ったら大丈夫だよ＾＾」
ニ「そうだよ。もう一人にしないよ？」ってこれ以上智くんの気持ちが乱れることのないように優しく宥めていた俺らは
智「んっ、ふぇっ...」と堪えきれず聞こえてきた嗚咽にそっと顔を見合わせたんだ。