青い空間。 32 (ページ1)

今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:24,263 hit

こころも、きょりもページ1

(親子、先生と生徒設定) 翔 side

『ポンポンッ...』
「さ～とし。朝だよ、起きて＾＾」
智「んぅ...」

長かった夏休みも終わり、今日から2学期が始まろうとしている穏やかな朝。

いつもより少しだけ早く息子の智を起こしにきた俺、櫻井翔は
「おはよう。今日から2学期だけど、どうする？」ってまだ眠たそうな智に問いかけ
智「...いか、なぃ。」と小さく首を振ったその頭を何も言わずそっと撫でて、今にも泣き出しそうな身体を優しく包み込んだ。

今年の春小学3年生になったばかりの智は2年生の頃からほぼ不登校で、その原因の一つが小学校に入学してからすぐに分かった『学習障害』。

智の場合『読む』ことが苦手で、国語の授業で音読がある時に人一倍時間が掛かったり、文章問題を正しく理解することが難しいから
ク「こんなのも読めないんだ～！」
ク「国語の点数低～い！」ってクラスの子達から色々言われるようになって、ある日の朝俺が起こしに行ったら
智「ひっく...もういやっ！」って泣きながら自分の頭を何度も枕に叩きつけてたんだ。

そんな智の姿を見て、俺は毎日通勤してた会社員の仕事を完全在宅に切り替え、智が学校に行けない日は家で教科書を開いて
「これは何て読む？」
「今日はこの問題やってみよっか＾＾」って授業に遅れが出ないように一緒に勉強してるんだけど、教室はおろか学校にもろくに行けないまま3年生になった智。

なんとか1学期の始業式には俺の付き添い有りで保健室まで行けたけど
ニ「櫻井智くん？はじめまして、担任の二宮です＾＾よろしくね？」と新しい担任になった二宮先生の挨拶にも小さく首を振り怯える姿は、今でも胸に焼き付いてるんだ。