青い空間。 30 (ページ10)

今日:11 hit、昨日:7 hit、合計:15,872 hit

5 ページ10

J side

翔「うわ～！めっちゃ懐かしっ！」
雅「完全再現じゃん！」
ニ「このソファー、よく残してありましたね＾＾」

あれから2年。

何度も話し合いを重ねてようやくこの日を迎えることが出来た俺たちは、見覚えのある『シェアハウス』のセットの中にいた。

変わったことと言えば、車椅子が移動しやすいようにバリアフリー仕様になったくらいで
「な～に＾＾嬉しいの？」と隣でじっとセットを見つめるリーダーに話しかけると、目をキラキラさせて俺の方に手を伸ばしてきたんだ。

その手をそっと握ると、ふわっと笑って口をパクパクし始めたリーダー。
「ゆっくりでいいよ。落ち着いて...」と優しく肩をさすっていると、他の3人もやってきて
翔「智くん、焦らなくていいよ。」
雅「ちょっと深呼吸しよっか、ね＾＾」
ニ「ほら、力抜いて...」っていつもより少し緊張気味で固まってる身体をほぐすように声を掛け続けていた...そして

智「...うぇ、しぃ。」とあの日から何も変わらない甘く澄んだ声が、スタジオに響いたんだ。

この2年間、頭じゃ分かってても言葉に出来なくて何度も悔しい思いをしながら過ごしていたリーダー。

時には血が出るくらい唇を噛み締めたり、自分の太ももを無意識的にずっとつまんでたりしてリハビリ自体がストレスに感じてた時期もあったんだけど『あ、ら、し、に、も、ど、り、た、い』って気持ちが変わることはなくて
「分かってるよ。大丈夫＾＾ゆっくりやっていこ？」って励ましながら毎日少しずつリハビリを続けた結果、半年前のある日から
翔「智くん、俺の名前は？」
智「...しょぉ。」と時間をかければ自分から言葉を発することができるようになったんだ。