青い空間。 30 (ページ27)

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A side

翔「ぇ...智くん？智くんっ！！」
「ちょ、ちょっと、翔ちゃん落ち着いてっ！」

さっきまで下を向いて泣いてた翔ちゃんが突然顔を上げて大ちゃんの名前を呼び出したから、慌てて後ろから肩を掴んだ僕。

でもそれすらも凄い力で振り切って
翔「智くんっ！智くんっ！」と大ちゃんの手を握りながら叫び続けるもんだから、僕はその肩越しからふと大ちゃんの顔を見たんだ。

そしたら昨日まで開かなかったその瞼がゆっくりと開いて
ニ「ぇ...お、大野さんっ？！分かる？」って慌てて声を掛けたニノに微かに頷いた大ちゃん。

その後松潤が急いでお医者さんを呼びに行ってくれて
医「大野さん、頑張りましたね。これから少しずつリハビリしていきましょうね＾＾」って問いかけにも微かに頷いた大ちゃんは
翔「智くん、ごめんねっ...」とベッドの横に跪いてポロポロ涙を流す翔ちゃんの声を聞いて、少し微笑んで静かに首を横に振ったんだ。

それから4日後には声も出せるようになって
智「しょー、くん。」
翔「ん？どした？どっか痛い？」
智「ん～ん...けがなくて、よかった。」
翔「...智くんっ！」って僕たち3人の目の前で恥ずかしがる様子もなく抱き合ってた2人。

その1週間後から始まったリハビリも順調に進み
医「後遺症は、特に問題なさそうですね＾＾」と言われて一番喜んだのは他でもない翔ちゃんで
翔「ありがとうございますっ...！」って頭を下げた時に零れ落ちた涙に、僕も胸がいっぱいになっていた。

そして事故から9ヵ月後
智「よろしくお願いしま～す＾＾」と前と変わらないふにゃっとした笑顔で仕事復帰した大ちゃん。

その記念すべき最初の仕事は雑誌の取材で『メンバーのここがカッコイイ！』というテーマの中、一番最初に手を上げ
智「おいら、翔くんのZEROが好き＾＾」と嬉しそうに話すその姿は、隣で静かに俯き肩を震わせる翔ちゃんの胸に強く、優しく響いていた。
END