青い空間。 29 (ページ14)

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N side

智「かけ、なくてっ...」
智「どうしようっ...」

ブランケットの中からポロポロと零れてくる言葉には、たくさんの苦しみが混ざっていた。

実はこの夏に2回目の個展を開くことが決まっていた大野さん。
もちろん俺たちも嬉しくて
翔「絶対観に行くから！」
雅「楽しみにしてるよ＾＾」なんて話してたんだけど、まさかこんなに追い詰められてるとは思ってなくて
「ったく...演技上手すぎなんすよ。」
そう言って俺は隣で小さく震える身体をそっと包み込んだんだ。

それからしばらくして
智「ごめん...」とブランケットの中からちょっとだけ顔を出して眉を下げた大野さん。

そんな重い雰囲気を変えたのは
翔「...ってかさ、マネージャーも言い過ぎじゃね？」
雅「そうそう！自分は描けないくせにっ！」
潤「俺、マネージャーの絵昔見たことあるけど、めっちゃ下手だったぜ？」って笑うみんなで
「それは説教しなきゃいけませんね？」なんて俺の一言に
智「...ふふっ＾＾」と微笑んだ大野さんを見て、機内は一気にあったかくなったんだ。

その後、無事最初の目的地に到着して
翔「どうも、嵐で～す！」
雅「来てくれてありがと～う！」
潤「ありがと～＾＾」と空港に降り立つとたくさんのうちわを持ったファンの人達が居て、その中にあった『智くん個展待ってます！』の文字を見つけて
智「待っててね～＾＾」って手を振り微笑む大野さんの姿になんだか急にグッときて
智「ニノ？どした？」
そう言って少し後ろを歩いてた俺の腰にそっと手を添えてきた大野さんの優しさに素直になれず、俺はそっと帽子の鍔を降ろすしかなかった。
END