青い空間。 29 (ページ2)

今日:6 hit、昨日:14 hit、合計:14,140 hit

2 ページ2

N side

「...緊張してんのかな。」
翔「そうかもね。」
雅「大丈夫かなぁ...」

潤くんにおんぶされて医務室に向かった大野さんの背中を見送った俺と翔さんは、前を歩いていた相葉さんと合流し、ステージの真ん中で話しながら2人の帰りを待っていた。

幼い頃から身体が弱くて、貧血持ちの大野さんは
智「朝礼の時、全校生徒の前でぶっ倒れちゃってさ...」なんてマンガの中でしか見たことがないエピソードが有名だけど、グループを結成して一緒に過ごしていくうちにそれが何度も目の前で起きて
智「これ以上みんなに迷惑かけちゃうの、嫌だから...」と過去には辞める意思を伝えてきたこともあった。

でも俺は大野さんの透き通るような歌声としなやかでキレのある踊りが大好きで、グループにとって必要不可欠だと思ったから
「俺、何でもするからっ...！」って今考えたら恥ずかしいくらい泣いて縋って、何度も何度も頭を下げたんだ。

そしたら
智「おいら、まだここにいても...いいかな？」って数週間かけて悩んでくれて、俺たちと共に歩む事を選んでくれた大野さん。

その時に柄にもなく号泣して喜んだ俺の頭を撫でながら見せた柔らかい笑顔は、今でもはっきり覚えてるんだ。

だから何があっても支えたいし、力になりたくて今もこうして一緒に居るわけだけど
潤「お待たせ～＾＾」と20分後にステージに戻ってきたのは、なぜか潤くん一人だけだったんだ。