お兄ちゃんの治療 1 ページ34
智Side
診察室に入った段階からすでにガチガチに緊張していた和。
ライトをつけて口元が照らされた瞬間、
極度の不安からか和の目は落ち着きなく揺れ始めた。
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それに気づいた潤が
上からのぞきこんで和の瞳をバッチリととらえる。
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優しく微笑みながら静かにコクコクと頷いてやっている潤。
しばらくすると僕の手を痛い程強く握っていた手から、
スッと力が抜けていった。
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雅紀が優しい声掛けで安心させるなら、
潤は目で言葉を届けていく。
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“大丈夫だよ。俺に任せて?”ってね。
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そんな潤も、本当はかなり不安を感じていると思う。
潤が一人で和の治療をするのは今日が始めてだから。
ほんとはいつも通り雅紀がいてくれた方が安心だったろうけど、
今回はAの治療もしなきゃだからね。
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潤「まず口の中診させてもらうね。
あーんってして?」
一つ目の関門。
緊張が最高潮に達しているところで口を開けさせるのが一番大変なんだ。
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ここさえ乗り越えれば、
だんだんと慣れていってくれると思うんだけどね。
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和「ん・・・・・・ぁぁ・・・・」
少し時間はかかったけど、なんとか口を開けてくれた和。
まだビクビクしながらだし、小さな隙間ができただけだけど、
開けてくれただけで十分だからね。
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潤「ありがと〜、和にぃ。
じゃあ鏡入れてくよ?」
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潤が一通り歯を見渡してミラーを口から抜いた時、
診察室に雅紀が入ってきた。
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“ちゃんと泣かないでできてるかぁ?”って、
雅紀は明るく聞いてきてくれたけど、和はそれに答える余裕はないようで。
それどころか、体にはさらに力が入っていった。
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“あーんしてごらん?”と言われた瞬間、
震えだした体をそっとさすってやる。
上からのぞきこまれる威圧感に負けて、よけい怖くなっちゃったかな。
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2人の指が口の中に入ってきたときも僕の手をグッと握ってきたし、
やっぱ緊張してるんだろうね。
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もうちょっと歯医者さんに慣れてくれれば、
もっと楽に治療できるんだけどなぁ。
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和の口の中を真剣な表情でのぞきこんでいる雅紀と潤。
こういうの見ると、立派な先生になったなぁって思うよね。
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歯医者さんのスイッチが入った2人の顔はキリッとしていてかっこいい。
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僕なんかがみればそう思うけど、
和やAにとっては、不安を煽る材料でしかないんだろうなぁ。
ラッキーアイテム
革ベルト
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ちさ(プロフ) - さゆさん» ほんとですか〜。わたしも、みなさんからのコメントを読むことが、幸せなことの一つです^^ こんなにもたくさんの方とお話ができるなんて、なかなかないことですからね。 (2012年8月26日 1時) (
レス) id: ccd05236b1 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 苺さん» 逆に恥ずかしい(笑) もし本当におにぃに診察されることになったら、恥ずかしくてあーんなんてできないよ!! 聴診なんてもっとドキドキだね/// (2012年8月26日 1時) (レス) id: ccd05236b1 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 相宮 和紀さん» 『ん、ありがと。おかげで何とか終わったよ^^; はぁ〜、緊張した。by和にぃ』 (2012年8月23日 23時) (レス) id: ccd05236b1 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 苺さん» 確かに白衣はカッコいいよね〜。わたしも白衣姿を想像しながら書いてるよ(笑) 毎日返信できなくて申し訳ないけど、わたしも必ずお返事書くからね^^ (2012年8月23日 23時) (レス) id: ccd05236b1 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - さゆさん» コメントはなくなってしまったようですが、お返事だけはさせていただきます。こんなわたしですが、ちょっとでもさゆさんの助けになれれば幸いです。 (2012年8月23日 23時) (レス) id: ccd05236b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月1日 16時
