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Marionette of the hell ページ3

おまえの母親は

汚いと罵って、この屋敷を出た。

大勢居た屋敷の召使い達も必要最低限に減らされ

あの日まで明るくて綺麗だったこの屋敷も

あの日から育った赤い薔薇が屋敷を取り囲み

まるで俺達を繋ぐ鎖のように、おまえから光を奪った。








おまえはあの広くて暗い部屋で今、何してる?

寂しくはない? 一人で泣いたりしてない?

心配でおまえに逢いたくても

俺達がこの暗い地下から出る術はない。








この脚に絡み付く、足枷。手首の鎖は、Aが。

おまえの鎖は簡単に取れたが

この足枷だけは、どうしても外れなかった。

地下を歩き廻るだけの長さだけ。

屋敷へ続く階段を上るまでの長さはない。








これさえ外れれば

今すぐにでも、その手を掴んで何処までも連れ去るのに。

俺は結局、無力だ。









まただ... また始まった。...あの悪趣味が。

おまえの声が、地下のスピーカーから流れる。









二人の男達の激しい息遣い。

軋むベッドの音。

苦痛に喘ぐ、おまえの消えそうな声。








...狂いそうになる。

俺の一番大切なおまえが...汚されているという現実に

俺は狂いそうになる。








俺以上にあいつらは、もっと狂ってる。いや、腐ってる。






皆が下を向き、俯く。

恐らく皆、俺と同じ気持ちだろうから。






「僕とも出来るよね? A。」





「おまえは汚い子だな。私に似て。」







奴らが、おまえを罵る。







RV「...ックソッ!」







やり場のない感情。

どうして俺達は、おまえに何もしてやれない?






毎日傷付くだけのおまえを

見てることしか出来ない、無力な自分を呪う。

そしてまたおまえは、あいつらが居なくなった後

泣けない自分を、俺達を身代わりにして泣く。






毎日、おまえが傷付いた分だけ

俺達の身体に傷となって残る。






抵抗する気力さえ奪われたおまえは、まるでの操り人形。

おまえの身代わりになる俺達は、おまえの操り人形。








もう、誰の声も届かなくなったおまえは

誰に言ってるかも分からないような小さな声で、また。









「可哀想な人形。こんなに傷だらけで。」









そしていつも、傷付けた俺達の傷の手当をして

おまえは帰って行く。









地獄の扉を開けて。

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作者名:シオン | 作成日時:2014年6月5日 23時

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