Frightened girl ページ1
暗い部屋。
光さえ届かない地下で、
俺達は一体
いつからこうしているのだろう。
________
呪いの人形
________
あの日から、全てが始まったんだ。
今日も、おまえがやってくる時間が来た。
俺達は大人しく、鎖に繋がれたフリをするよ。
気付いてないのは、おまえだけ。
他の奴らも皆、もう気付いてるんだ。
おまえの靴音。歪んだ扉の開く音。
今日もまた、始まるおまえの人形遊び。
声にならない、おまえの心の叫び。
HB「っ...ウァッ ...クッ 」
おまえには、聞こえない。
広い暗闇の真ん中で
おまえは朽ちた椅子に座り、呪いの人形で遊ぶ。
その一つ一つが俺達の身体、神経で
おまえが人形で遊ぶ度、俺達の身体は悲鳴を上げる。
でも、誰一人此処から抜け出そうとしないのは
おまえが俺達を、必要としているのを知っているから。
また、隣から叫び声が聞こえる。
HK「...ゥアー グフッ...」
人形の心臓を抉る、おまえ。
ヒョギ... 大丈夫か?
あともう少し、あともう少し...
だから耐えろ。
すると、また何処かから叫び声が聞こえた。
RV「...ッヴァー!」
N「ッグァ...」
KN「アァー!」
LE「...ッ」
皆、あともう少しだから。
Aが、俺達に近付いた。
「可哀想に、こんなに傷だらけで。」
皆、気付いてる。
気付いてて、気付かないフリをしてる。
その言葉、全部自分に向けて言ってることに。
足音が遠くなる。歪んだ扉が閉じられた。
おまえが、完全に部屋からいなくなったことを確認して
俺達は、身体に着けられた鎖を外す。
HK「今日のは...特別痛かった。」
RV「あいつも我慢してる。俺達も耐えないと...」
KN「Aの痛みに比べれば、こんなの...」
N「今日も、哀しい瞳をしてた。A」
LE「...大丈夫かな? A。」
HB「あの日から泣かないな。...A。」
人里離れた森の奥深く、この屋敷は存在する。
人が住んでいるとは到底思えない
朽ち果てた妖しい屋敷に住む少女。
俗世から離され、ただ一人で
人の声のないこの屋敷でおまえは
あいつの帰りを怯えながら、待つ事しか出来ないでいる。
そして俺達はおまえを
此処でしか、守れないでいた。
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作者名:シオン | 作成日時:2014年6月5日 23時