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「だからしつけーな。お前の予定は一体なんだよ?」
『それが…言いづらいことで…』
「ならお前の予定は嘘ってことでいいんだな?」
『嘘じゃない…!本当に予定が、』
「だったら話せ」
こんなやり取りを一日中していれば、いつも止めに入ってくれるホソク君もお手上げですと、降参のポーズ。聞いてる方もいい加減にしてくれ状態で、当の私達もできるなら早く終わらせたい。
「A先輩本当に予定があるなら、言った方が早く解決しますよ。だってユンギ先輩納得のいく理由聞かされない限り、引かないって顔してますもん。俺もそろそろ帰りの電車来てしまいますし、喧嘩の仲裁役がいなくなると二人困りますよね?」
『………私が理由言っても軽く流してくれる?』
「理由にもよる」
「まぁまぁユンギ先輩。俺は流せるタイプなんでどうぞ」
駅までの道のりを歩きながら、私はテヒョン君との週末の約束を二人に話した。テヒョン君について話していたせいか、二人は特に驚いた様子もなく、私の会話に横槍を入れてくることもしなかった。
「遊園地か…俺も昔はよく家族と行きました。色んな乗り物があってワクワクしますよね?」
『大人になるにつれてあまり行かなくなるけど、童心に帰れるっていうか』
「本題がズレてるだろ?それで、テヒョンって奴の親にお前が連れてくって許可もらったのか?」
『まだだけど…』
「だと思った。悪いことは言わねぇ、後先考えず行動するのはやめとけ。テヒョンの身内でもないお前が未成年を連れ回して、善意でしましたって言っても誰が納得する?どんな言い訳並べても、大人であるお前に全責任がかかってくるのはわかってんだろ?ましてやソイツに何かあったらどうするんだよ?」
『わかってるけど…』
「わかってねぇから言ってんだよ!」
ユンギが声を荒げるのは珍しい。
だから私は言葉に詰まった。
悲しそうなテヒョン君をどうにかしてあげたくて
それが悪いことだって言うの?
ただ遊園地に連れて行ってあげる事が、そんなに咎められるようなこと?
他人の私がテヒョン君の母親代わりをして、ほんの少し手助けしようとしてるだけじゃない。本当の母親が与えてくれない優しさや愛情を、分け与えようとして何がいけないの。
「喧嘩はやめましょうよ。二人の言い分はあると思いますけど、俺達が喧嘩してもしょうがないじゃないですか」
ホームから聞こえる電車を告げるアナウンスに、ホソク君は慌てて階段を駆け上がって行った。
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bluemoon(プロフ) - いきゅさん» コメントありがとうございます。ようやく続編を書くことが出来そうになりましたので、また宜しくお願い致します。更新頑張ります! (2021年10月17日 19時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
いきゅ(プロフ) - 続編待ってます🥲 (2021年10月16日 8時) (レス) @page50 id: bbc12a723a (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - あやさん» あやさんコメントありがとうございます。一度完結と致しましたが、いつか続編は書きたいと思っております。テヒョン君が成長していくことで色々な、恋愛的な展開にもお話が広がっていきそうです。コメントとても嬉しかったです!ありがとうございますね(*^^*) (2021年10月3日 12時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - わーもうワクワクしちゃいます!ソワソワもしちゃいます笑今一番好きな作品です!応援しています! (2021年10月1日 23時) (レス) @page50 id: f95d4748bc (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - てぴょんさん» てぴょんさんコメントありがとうございます。このお話はテヒョン君オチのお話の筈なのに…書いていると違う路線に行ってしまいそうになります。他の方々の恋愛は番外編で書かせて頂きますね。更新頑張ります! (2021年9月21日 18時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:bluemoon | 作成日時:2021年9月7日 10時