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『はぁー…疲れた…。』
「お疲れ様。はい、これ」
『カフェラテ…?クリームも乗っていい香り。ジョシュアって気が効くよね』
「そう?普通だと思うけど。だったらさ、僕にする?」
『何が?』
私の座っている隣に腰を下ろしたジョシュアは、端正な顔を近づけ「Aの彼氏にしてよ」と甘い声で囁く。囁かれた右の耳も右の頬も、片側だけ熱を持ったように熱くなる。こう言う事スマートに出来る所が女心をくすぐる。それもジョシュアがやると嫌味に聞こえないから不思議。
『そうやってカラかってばかりいると、勘違いされちゃうよ?』
「勘違い?」
『自分に気があるのかなって』
「Aってほんと鈍感。ハニも苦労する訳だ」
ジョンハンに苦労かけられてるのは私の方だってのに…。
カップに口を付けカフェラテを一口啜る
日頃の疲れも癒してくれるように甘く優しい味
どうせなら昨日の出来事も全部なかった事にしてくれれば
「A、口にクリーム付いてる」
『どこ?』
「どこって…取ってあげようか?」
『いい。ティッシュで拭く、』
テーブルに置かれたティッシュに手を伸ばそうとする私に、横からジョシュアの手が伸びてきて先にティッシュ箱を奪っていった。
『ジョシュアの意地悪』
「好きな子には意地悪したくなるって、この言葉僕がハニに言ったんだった。じゃあ意地悪しないで優しくしてあげようかな」
『またそうやってカラかって、』
文句でも言ってやろうとする私の唇を塞ぐように、ジョシュアの舌が通り過ぎて行った。
嘘…今舐められた…?
「無反応?それって逆に傷つく」
『あの…確認してもいい?』
「どうぞ」
『今、何したの?』
「Aの唇を舐めただけ。柔らかくて甘いねAの唇って。ファーストキスが僕じゃなくハニってのが惜しかった気もするけど」
ファーストキス…。
「もしかして…キスもう経験済み?」
『そ、そんな訳ないじゃない!ジョシュアが急にこんな事するから、それで驚いて…。』
「ねぇ、誰とキスしたか教えてよ。ハニには黙ってて、他のメンバーにも黙っといてあげるから」
『それは…、』
上手く誤魔化せないとはわかってはいるけど、言えない。
ファーストキスの相手が、メンバーの中にいるって事を。
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作者名:bluemoon | 作成日時:2022年2月16日 22時