ある日の兄2 ページ20
YG side
ホソクの弟に点滴を入れてやって、Aとジミンは実習のためにナースステーションに帰らせた。
控えめなノックに返事をすると顔を覗かせたのは
「…お、来たの？そろそろ呼ぼうと思ってたとこだったよ。」
弟が寝てるのを確認して静かにドアを閉めた兄、ホソクだった。
HS「わざわざすみませんね。で、どんな感じでした？」
汗で張り付いたジョングクの前髪をどかしてやり、ゆっくりと頭を撫でたホソク。
強がっていてもやっぱり体は素直なのか全く起きる気配はなく硬く目を瞑っている。
荒めの息遣いだけが響く静かな診察室。
「風邪だな。熱が高いのは脱水で熱中症になりかかってるのもあると思う。大分お前の言葉が刺さったみたいで大人しく診察受けてくれたよ。具合が悪い時ぐらい甘やかしてやれよ。」
そう言うと肩をすくめられた。
HS「優しくして素直になった試しがないんですよ。さっきも俺があそこから動かない限り絶対診察室行かなかったろうし、そろそろコイツも限界かなと思ったんでちょっと席外しました。」
柔らかい笑顔。
こいつは本当に弟のことを知り尽くしているんだなと微笑ましく思った。
YG「…ま、2、3日安静にしておけば治ると思うよ。とりあえず熱が下がれば安心かな。」
額に触れるがまだ熱いままだ。
きつそうに顔を歪めるジョングクを見て苦笑いのホソク。
HS「なんでここまで放っておくかな…というか多分自分の不調にも気づいてないんだろうけど笑。」
どこから持ってきたのか冷えピタをおでこに貼ってやっている。
冷たかったのか不快そうに体を捻って横を向く。
JK「…ヒョン…」
さっき喧嘩したばかりなのに寝言がヒョン、な弟につい笑いが溢れる。
なんとも末っ子が溢れている。
HS「…こんな時もヒョンしか呼ぶ奴がいないなんて可哀想な奴。」
そう言いながらもホソクの口角は優しく上がっていた。
微笑ましい2人を見て思い浮かんだのはテヒョンとAの顔。
兄弟なだけあっていくら喧嘩してもなんだかんだ信頼しあった関係を少し羨ましく思った。
逞しくもう自立している俺の弟妹たち。
やっぱり血は繋がっていないからお互い本音をそのままぶつけることも躊躇われるし、こんな風な下らない喧嘩をしたこともほとんどない。
それでも兄としてあいつらを肯定してやれる存在になりたいと思う。
ただ昔から一緒に育ってきて、誰よりも頼られる兄のホソクを羨ましく思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 648人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜桃(プロフ) - すみませーん。こちらにも メッセージ！！つけておきます (2月22日 8時) (
レス) id: 905d7f2212 (このIDを非表示/違反報告)
ユハ - とってもこの作品が好きです！お忙しいところ思いますが無理せず、更新お待ちしております。 (2月13日 5時) (レス) id: 56b83be86e (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 蒼色さん» 申し訳ないなんて…！！お忙しい中なのにも関わらず更新していただけることがありがたいです🙇♀️💕自分の作品はもう更新停止というより放置しているような感じなので蒼色さん尊敬です……笑。素敵なチョン兄弟をありがとうございました！ (12月22日 2時) (レス) @page22 id: d4a699c992 (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - 鹿さん» 更新遅れてすみません。ジョングクの可愛さは無限です笑 (12月14日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - ななさん» そういっていただけて嬉しいです。すっかり更新速度落ちてしまって申し訳ありません💦チョン兄弟私も愛してます笑笑 (12月14日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼色 | 作成日時：2023年11月12日 19時
