義理の兄は医者でした4

ある日の駄々っ子 ページ17

YG「…まあとりあえず診察室行く？」


椅子でぐったりと背もたれに寄りかかっているジョングクさんを見かねたユンギさん。


JK「いや…」


HS「よろしくお願いします。」


嫌がるジョングクさんの言葉を遮ってホソクさんが返事をした。


ジョングクさんがキッとホソクさんを睨んだが、何食わぬ笑顔の兄。


ムカついたようでホソクさんの足を軽く踏みつけた。


HS「何してももうしょうがないんだから諦めていうこと聞きなさいって。」


もう呆れたようなホソクさん。
やっぱり弟の扱いには慣れているらしい。


YG「じゃ、行くか。ここからちょっと歩くけど辛かったら車椅子使っていいけどどうする？歩けそう？」


ユンギさんの言葉も清々しいほどに無視のジョングクさん。


不貞腐れた顔で椅子の上のクッションを抱きしめながら目も合わせない。


HS「…そっかそっか。そんなにお兄ちゃんの抱っこがいいのか。」


そう言って本当にジョングクさんを抱き上げたホソクさん。


JK「は？ちょっ…下ろせ！」


本当にやられると思っていなかったらしいジョングクさんはホソクさんの腕の中で大暴れ。


HS「ちょっ…お前体の大きさ考えろって…うわっ！…」


…そしてジョングクさんの腕がホソクさんの顔に直撃した。


バシッとかなりいい音がした。


それに気づいたジョングクさんが動きを止めた。
そしてゆっくりとホソクさんの顔を見る。


恐ろしいことに…笑顔


だが、黒いオーラとピキッという効果音が聞こえた気がした。


HS「お前そろそろいい加減にしないと本当に怒るよ？」


JK「…わかった…から下ろして。」


大袈裟にため息をつきながらジョングクさんを下ろしたホソクさん。


やっぱりホソクさんは怒らせていけないと再認識した。


JK「…もう怒ってるくせに。」


熱のせいもあってか潤んだ目で小さい声でそう呟いたジョングクさんはなんだか不憫で可哀想だった。


YG「…じゃ、今度こそいくか？」


HS「ほら、行くよ。」


ジョングクさんも返事こそしなかったものの今度は黙って歩き始めた。


長い廊下を4人で歩く。


たまにすれ違う職員にはなんだこの軍団？と少し不思議そうに眺められたがみんな自分のことで手一杯なのか声をかけてくる人はいなかった。


静かな朝の廊下の中響くのはジョングクさんの荒めな息遣い。


『辛いようなら車椅子持ってきましょうか？』


JK「いらない。」


苦しそうな様子につい声をかけたが、冷たく断られてしまった。

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