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自分の足の方に重みと温もりを感じる。
ゆっくりと目を開けるとユンギさんが座ったまま私の下半身に伏せて寝ていた。
白衣も着たままで非常に寝にくそうだ。
相変わらず寝顔も不機嫌そうなユンギさんを見てついクスリと笑う。疲れてるんだろうな。
ゆっくり上半身を起こそうとすると頭がズキンと痛んだ。
やっぱり怪我は簡単に治るものではないらしい。
…そういえば、意識を失う前、散々ユンギさんに迷惑をかけたような気がする。
その記憶ごと失えてしまえばいいものの、自分のやらかしたことはしっかりと覚えているんだからタチが悪い。
患者さんとトラブルを起こした上に自分がパニックになるなんてあり得ないほどの失態すぎる。
悪夢で錯乱していたと言えばそうだが、ただでさえ迷惑をかけているのに自分のやらかしたことでさらに頭が痛くなりそうだ。
左腕からぶら下がる点滴はもう終わっているものの、私がまたパニック防止のためか刺した箇所は包帯で丁寧に巻かれ見えないようになっている。
とにかく申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
スマホは自分のカバンに入れっぱなしなため、時間を確認するためにゆっくりと体を起こしてみる。
『いたっ…』
鋭い痛みが走ったが先ほどよりはだいぶマシだ。
無意識に頭を触ると綺麗に包帯が巻き直してあるのが分かる。寝ている間に処置をしてくれたのだろう。
その時ユンギさんの体がむずむずっと動く気配がした。
YG「…んんっ…あ、起きたの?」
体をほぐしながら関節を鳴らすユンギさん。
『あ、すみません。起こしちゃいました?』
YG「どうせ起きなきゃいけなかったし平気。で、気分どう?だいぶマシになった?」
点滴終わってるな、と確認しながら針を抜いてくれる。
『はい…もうすっかり。…あの、ご迷惑おかけしてすみませんでした…。』
恐る恐るユンギさんの方を見ると淡々と作業を続けている。
YG「あー、うん。いいよ。
……はい、終わり。」
ようやく目線を上げたユンギさんと目が合った。
腕には小さな絆創膏が貼ってある。
YG「…こっちこそ悪かった。お前が辛い思いしてるの知ってたのにそこまで気にかけてやれなかった。それに怪我までさせた。本当にごめん。」
軽く頭を下げて真摯に謝ってくれるユンギさん。
『そんな、謝らないでください。私が悪いんです。ユナさんを混乱させて、挙げ句の果てに自分まで…。本当にすみませんでした。』
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桜桃(プロフ) - すみませーん。こちらにも メッセージ!!つけておきます (2月22日 8時) (レス) id: 905d7f2212 (このIDを非表示/違反報告)
ユハ - とってもこの作品が好きです!お忙しいところ思いますが無理せず、更新お待ちしております。 (2月13日 5時) (レス) id: 56b83be86e (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 蒼色さん» 申し訳ないなんて…!!お忙しい中なのにも関わらず更新していただけることがありがたいです🙇♀️💕自分の作品はもう更新停止というより放置しているような感じなので蒼色さん尊敬です……笑。素敵なチョン兄弟をありがとうございました! (12月22日 2時) (レス) @page22 id: d4a699c992 (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - 鹿さん» 更新遅れてすみません。ジョングクの可愛さは無限です笑 (12月14日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - ななさん» そういっていただけて嬉しいです。すっかり更新速度落ちてしまって申し訳ありません💦チョン兄弟私も愛してます笑笑 (12月14日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年11月12日 19時