義理の兄は医者でした3 (ページ49)

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『その時私、自分を責め続けてないとすごく辛くて死にたくｯ…なりました。…何かのせいにしないと…苦しいですよね。』

自分を責め続けていないと、自分だけ許されたようで苦しかった。自分だけのうのうと生きていることが許せなかった。

YN「あんたにｯｯ何が分かるの？！」

自分の子供を失う悲しみは私なんかのとは同じじゃないかもしれない。

でも、私も大事な人を亡くしたことがあるからユナさんに伝えたい。

ジョングクさんが教えてくれた。自分を許すのは自分の勝手だって。

『分かりますよ。…でも何かを責め続けるのも同じくらい辛くないですかｯ？』

結局起きてしまったことは起きてしまっていて、何かを責めてもどうにもならないんだ。それを分かった上で普通のフリをして生きていかなきゃいけない。

YN「…ｯあ……」

ユナさんは何かを言い返そうとしたようだが急にそれを止めて静かに涙をこぼし始めた。

馬乗りになっているユナさんのガラスを握っている手をゆっくりと解いた。

強く握ったせいで私の腕に負けないぐらい血が滲んでいる。

YN「…ｳｯ…ﾊｧｯ…ｳｯｳｯ」

静かに泣き続けるユナさんの背中にゆっくり手を回す。

『…大丈夫ですよ。』

そう声をかけながら慣れない手つきでゆっくり手を上下に動かした。

それに気づいたユナさんが恐々と顔を上げる。

ゆっくりと目が合う。
そして私の頭をみたユナさん。

YN「…ｳｯ…ごめ…なさい。…」

潤んだ瞳のまま血で張り付いた私の前髪を優しく退けてくれた。

ピリッとした痛みが額に走る。

『ｯいえ、大丈夫です。…こんなのすぐ治りますから。』

ようやく落ち着いた病室の中。

ユナさんがゆっくり立ち上がると自分でナースコールを押してくれた。

はい、どうされました〜？なんていうホソクさんのいつもの声が聞こえてくる。

ふと安心して身体中の力が抜けた。耳の中に水の膜が張ったようになって周りの音がはっきりと聞こえない。

グラグラする視界に床に座り込んだまま近くのベッドの横に寄りかかる。

YN「…Aさん、ありがとう。」

涙が滲んだままのユナさん。それでも前を見据えた目つき。

『…どういたしまして。』

私も精一杯の笑顔で返した。

するとすぐに廊下からバタバタとした足音。

ホソクさんたちが来たんだろう。

ノックとドアが開く音がした。