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その言葉に仕方なく立ち止まる。


『…大丈夫ですって。離して下さい、ユンギ先生。』


明らかにただの医者と学生の範囲を超えたユンギさんの行動に敢えて先生と呼んだ。


YG「お前が大丈夫かじゃなくてその顔色じゃ、周りに心配かけて迷惑かけるだけだって言ってんの。」


踏み出しかけた右足を元に戻す。
そう言われるとその通りだ。恥ずかしくなって下を向く。


YG「ホソクには俺から伝えておくからお前は一旦休め。」


そんなことをユンギさんに言わせてしまう私の顔色ってどんなもんなんだろう。


自分のことなのにどこか他人事のように考える。


『…分かりました。ありがとうございます。』


これ以上反抗するのもどうかと思い、黙って従うことにした。


肯定的な返事を返したにも関わらず私を見つめたままのユンギさん。


『…休憩室行くので手、離してもらえますか?』


頑なに動かないので声をかける。


YG「あぁ、悪いな。…手、痣になる前に冷やしとけよ。」


パッと温もりが消えた腕。ようやく解放された。
なんだ、気づいていたのか。だったら隠す必要無かったな。


『はい。』


一言だけ返してユンギさんに背を向ける。
とにかく今はユンギさんの前から消えてなくなりたかった。


ユンギさん、というよりも私の今までのことを知っている人の前から。


YG「…無理すんなよ。」


去り際にポツリと呟かれた言葉。


きっともっと言いたいことは沢山あったんだろうということがユンギさんの表情から感じられる。きっと今は聞かずに行かせてくれることがユンギさんの優しさだ。


その優しさに甘えて聞こえないふりをして足早に休憩室に向かった。


本日2度目の休憩室。


やっぱりお昼前のこの時間帯にはやっぱり誰もいない。


ソファーにゆっくり腰掛ける。


…あ、手冷そうかな。もう一度立ち上がった。


端っこに設置された小さな冷蔵庫をあさる。


ふと顔を上げた時に、ブラックの冷蔵庫は私の顔を鏡のように写した。


真っ白な顔に血の気のない唇。


自分でも想像以上の顔色の悪さに驚くと同時にユンギさんに止めてもらえて良かったと思う。


確かにこの顔色じゃあ患者さんにも心配をかけていただろうから。


我に帰り、ビニール袋に氷を数個入れて硬く結んだ。


手首にハンカチを敷いて、その上から氷を置いた。


じんわりと伝わってくる冷たさ。
だんだんと主張し出した地味な手首の痛み。


普通なことのはずなのになんだか泣きたくなった。

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蒼色(プロフ) - Mahoriさん» 結局作りましたー笑ありがとうございます! (11月21日 4時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
Mahori(プロフ) - 蒼色さん» まさか続きが作られているとは…!今から飛んで読みに行きます😉 (11月16日 20時) (レス) id: 242b4e213d (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - にゃんさん» 初めてのコメント、ありがとうございます。そういっていただけると嬉しいです。続き出しました☺️ (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - せいなさん» 嬉しいコメントありがとうございます!続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - 志帆さん» 続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年9月24日 18時

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