義理の兄は医者でした3 (ページ41)

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申し送りが終わった後、ほとんど力の入らない体をジミンに引きずられらようにしながら休憩室に来た。

朝の休憩室は静まり返っていて誰もいない。

私は椅子に座らされてジミンは地面にしゃがみこむ。ジミンが下から私の顔を覗き込んだ。

『ﾝｯ…ｯｯ…』

まだ細かく震える私の両手が私より少しだけ大きい手で包み込まれる。

JM「A、落ち着いて。大丈夫だから。俺の目見て。」

白い床が映る視界を少しだけ上に向けるとジミンのまっすぐな目が映った。

『…ｯ流産ってなんで？ｯｯどうして？』

ジミンが私の手を握る力を少し強める。

JM「落ち着いて。ゆっくり聞いてよ？Aも妊娠初期の流産はほとんど染色体が原因なこと知ってるでしょ？つまり、受精卵の段階で流産の運命が決まってるってこと。誰も悪くない。」

小さい子に言い聞かせるようにゆっくりはっきりと話すジミン。

そう…妊娠初期の流産は防ぎようがない…。

お母さんじゃなくて赤ちゃん側に問題がある場合がほとんど。

そう習った、私も知ってる。

JM「分かった？」

『…ん』

防ぎようのない流産。

そうだ、本当に辛いのはユナさんなのに私がなんでこんなんになっているんだろう。

今私にできることは何もないんだからせめて普通でいないと…。

私がこんなパニックになってる場合じゃない。

ゆっくり数回深呼吸を繰り返す。

その間もジミンはずっと手を握ってくれていた。

『…ごめん。もう大丈夫。』

だいぶ力を入れてくれていたのか私の手の上に重なるジミンの手の甲は白くなっていた。

JM「落ち着いた？」

『うん、ありがとう。』

おかげで大分落ち着けたし、自分が今こんなことをしてる場合じゃないことにも気がつけた。

JM「無理してない？」

『うん、大丈夫。』

まだ心配そうに眉を顰めるジミンな目を見てしっかりと頷く。

JM「じゃあ先行ってるからもう少し休んだら出ておいで。ホソクさんにはトイレに行ってるって言っておくよ。」

私がこのことをあまりに人に言いたくないのを察してトイレに行ってくると伝えてくれるらしい。

相変わらず気が利くなぁ…。

人付き合いが上手い理由がここだけに凝縮されている気がした。

『うん。ジミン…その、ありがとうね。』

JM「いえいえ。今度ジュース奢ってね。」

去り際にお礼を言うと笑顔で応じてくれたジミン。ジュースどころか焼肉でも奢ろうと心に決めた。