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ナースステーションでいつものように始まった申し送り。


隣でジミンが私に耳打ちをしてきた。


JM「筆箱忘れたんだけどペン貸してくれない?」


焦り気味で声をかけてきたジミンに一時期流行ったクルトガならぬいつでも尖ってるシャーペンを貸してやる。


一応シャー芯がなくならないように3個追加しておいてあげた。


得意げな顔をしてシャーペンを差し出してやると素直にお礼を言ってくれた。


JM「ありがと。」


カチカチと芯を出すジミンを一瞥してメモを構える。


いつも通り何号室の患者さんの点滴の指示が変わった、夜に頭痛を訴えられたので追加で薬を飲ませたなどなどの報告。


自分に関係のありそうな部分ではメモを取る。


「えー、昨晩308号室のユナさん下血で検査の結果流産とのことでした。今は産婦人科に一時的にいらっしゃり、本人の希望で本日午前こちらに戻られます。手術の同意書を待っているところです。」


今…なんて?


308号室…ユナさん?


が流産?


耳がキーンとなって何も聞こえなくなる。


流産って赤ちゃんが亡くなっちゃったってことだよね?


どうして?


胸がザワザワするような泣きたくなるような吐きたくなるような不快感に襲われる。


昨日の風邪のせい?


いや、でもユンギ先生は風邪が妊婦に及ぼす影響はないって…。


流産…どうして。


頭の中を埋め尽くすのはそればかりだ。


自分の持っている鉛筆の先っぽか大きく揺れてメモ帳に黒い点が増え続ける。


流産流産流産流産
なんで?どうして?


妊婦だった自分の母親と重なる。
嬉しそうにお腹を撫ぜる笑顔、最期の言葉…。


怖い怖い怖い…ッ


『…ッ』


その時鉛筆を握っていた右手が何かに包まれた。そのままゆっくりと腰の横まで降ろされる。


パッと横を見ると手を握っていたのはジミン。
自分の手が大きく震えていたことに気づいた。


ジミンとほんの一瞬目が合う。


動揺した私の瞳は一点にとどまることがない。


ジミンは私の手を右手で握ったまま反対の手でゆっくり私の背中を摩り始めた。


その時ようやく自分の呼吸がだいぶ早くなっていたことに気づく。自分が苦しかったことに気がついた。


JM「…落ち着いて。大丈夫だから。ゆっくり息吐いて。」


ゆっくりとした落ち着いた声が耳に入る。


『…ッふぅ…』


一定のリズムで背中を叩いてくれるジミン。


大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫…

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蒼色(プロフ) - Mahoriさん» 結局作りましたー笑ありがとうございます! (11月21日 4時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
Mahori(プロフ) - 蒼色さん» まさか続きが作られているとは…!今から飛んで読みに行きます😉 (11月16日 20時) (レス) id: 242b4e213d (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - にゃんさん» 初めてのコメント、ありがとうございます。そういっていただけると嬉しいです。続き出しました☺️ (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - せいなさん» 嬉しいコメントありがとうございます!続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - 志帆さん» 続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年9月24日 18時

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