義理の兄は医者でした3 (ページ37)

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ようやく病室に着いて、ドアを開けるとこちらに背を向けて寝ているユナさん。

こんなお昼から珍しいな、と思いつつ起こさないように静かに部屋に入った。

SH「わざわざ付き添ってくれたのにごめんなさいね。」

ソヒさんが申し訳なさそうに謝ってくれる。そんな必要はないのにな。

『いえいえ、車椅子畳んでここに置いておきますね。』

軽くなった車椅子を折り畳み、ベッドの端に寄せておく。
その時、斜め前のベッドに丸まるユナさんの荒い息遣いが聞こえた。

『ユナさん、大丈夫ですか？…ちょっと失礼しますね。』

顔半分まですっぽり被った布団をどかすと真っ赤な顔で荒い息を繰り返すユナさんがいた。

少し触れた体もすごく熱くて正常ではないことを主張している。

こう言う時…とりあえず誰でもいいから呼んだ方がいいよね。

YN「ゴッホゲボッゲホッ…ｺﾞﾎｯｹﾎｯ」

病室を出ようとしたところでユナさんが大きく咳き込むのが聞こえた。

これ、側を離れていいのかな、急に不安になってもう一度ベッドに戻る。

苦しそうに歪む顔を見てつい不安に駆られる。妊婦さんなのに、赤ちゃんに何かあったら…不安でその場でナースコールを押した。

HS「はい、どうされましたか？」

すぐにホソクさんの声が機械越しに聞こえてきた。
安心して涙が出そうだ。

『っ…あの、ユナさん熱発です。』

HS「分かった、すぐ行くよ。落ち着いてね。」

これほどまでにホソクさんを心強いと思ったことはないかもしれない。

一分もしないうちにホソクさんとユンギ先生がきて、ユナさんを起こして診察を始めた。

医療資格も何も持たない私はただ2人を見ることしかできない。

YG「今流行ってる風邪ですね。熱が下がるまで安静にしていてください。お薬出しておきますね。」

相変わらず淡々としているユンギさん。

YN「…はい、ｺﾞﾎｯｹﾎｯ…あの、赤ちゃんは大丈夫ですか？」

YG「通常の風邪が胎児に悪影響を及ぼす可能性はほとんどありません。ですが、熱が続くと心臓にももちろん赤ちゃんにも良くないのでなるべく早く治しましょうね。」

ユンギさんがそういうと、ユナさんは心底安心したような顔をする。私も密かに胸を撫で下ろした。

HS「アイス枕とか冷えピタ、ぬるくなったらナースコールで教えてくださいね。」

手際よく体を冷やすものを用意し、ユナさんに声かけをしたホソクさん。相変わらず完璧だ。