義理の兄は医者でした3 (ページ25)

今日:23 hit、昨日:137 hit、合計:135,827 hit

20 ページ25

診察室に着くとそのまま簡易ベッドに座らされる。
私に被せていた白衣を取ると、しゃがんで下から顔を覗き込んだ。

YG「まずお前その顔どうした？」

『え？』

顔？に何か付いているだろうか。自分の手で頬を触ると顔の端の方がカサカサする。言われてみれば瞼も重い気が…。

YG「だいぶ腫れてんな」

下から覗き込みながら眉を顰めるユンギさんを見てどれほどのものかと心配になる。

白衣は涙だけじゃなくて顔を隠してくれたのもあったのか。

診察室に着くと椅子に腰掛けたユンギさん。

YG「調子はどうですか、Aさん。」

砕けた感じのトーンでやる気はあまり感じられない。

『…悪いｺﾞﾎｯｹﾎｯ』

YG「悪いって…笑。そりゃまあ良さそうには見えないけど。」

鼻で笑うユンギさんも大概意地悪だ。私が病院嫌いなの知ってるくせにわざとそうやって。

そこでゆっくり扉が開く。

HS「あ、ごめん。待った？」

座っている私たちを見てデートに遅刻した彼氏のような発言。

HS「あー、やっぱり最後までもたなかったか。」

私の顔を見るなりそうこぼしたホソクさん。
あと30分だけだったのに何だか悔しい。

YG「じゃあ全員揃ったことだし、そろそろ始めるか。椅子こっちにうつってくれる？」

ユンギさん前の回る椅子…あそこには座りたくないのに。

『…嫌です。』

抵抗すると間髪入れずにホソクさんの声が飛んできた。

HS「嫌じゃないよ〜。頑張ろうね。」

もうホソクさんの宥め方がいかにも厄介な患者を宥める時のそれ。

YG「ならまあベッドでも見れるからそのままでもいいけど。」

え、そんなのは聞いてない。

『やです。』

そんな私の言葉は介さず伸びをして動くキャスターの椅子ごと移動してきた。

YG「聴診からしようかな。ちょっと服あげれる？」

ダンマリを決め込んだ私に後ろからも悪魔の手が…。

HS「はいはい、大丈夫だよ。ちょっとごめんね。」

私のナース服の裾を浮かせて手際よく隙間を作るホソクさん。その隙間から聴診器が滑り込んできた。

つめたっ
体がビクッとなる。

YG「ごめん、冷たかった？一応手で温めたんだけど。」

何度か聴診器が位置を変える。
息吸って、吐いてという指示に従いながら何回か深呼吸を繰り返す。

YG「怪しい音聞こえるな。」

怪しい音…喘鳴みたいなことだろうか。自分が息を吸っててもヒューヒューするのが分かるからきっと聴診器で聞くとかなりわかりやすいだろう。