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記録を書き始めてどれぐらい経ったのか。実習終了までは30分を残した頃だった。何だか重くズキズキとした痛みが頭を襲う。


こめかみをぐりぐりとしながら頭を上げると、窓の外の色が朱色に染まっていた。


耐えられないほどの痛み、というわけでもないが頭を糸できつく縛られたようなしつこい痛み。


つい顔を歪めてしまう。


『いった…』


頭を抑えながら頭皮を抑えるようにすると、今度はヒリヒリとした痛み。


反射で手を離すと手には少量の血が付着していた。


もう一度優しく頭皮から頸にかけてを触ると、ざらりとした感覚。


それを自覚すると何だか頭や顔も痒くなってきた気がして何も考えずに掻きむしった。


ズキズキと痛む頭に止まらない咳に耐えられない痒み。体の表面だけがすごく熱い。


何だか知らないけど辛くて涙がこぼれそうになる。


溢れてきた涙を隠すように、バレないように下を向きながら自分の書いた記録に涙のしみができていく。


『んっ…ゴホッケホッ』


痛いし辛いし自分が何で泣いているのか分からない。涙を抑えたくても勝手に溢れる。息をするたびに喉がイガイガする。


「おい、どした?」


声をかけてきたのは少し離れたところで仕事をしていたユンギさんだった。私の様子が変なのを見たからか、声をかけてきたらしい。


『…ゴホッケホ 痛い…』


ふと顔を上げるとユンギさんの顔がドアップになる。


ギョッとした顔をすると私に白衣を被せてくれた。ふんわりといつも嗅いでいる匂いがして少し落ち着く。


あ、そういえば私泣いてたから…。気を遣ってくれたんだということに気がついた。


YG「ちょっと俺の診察室まで歩ける?」


私が泣いていたことに気づき始めた人たちが私たちを遠巻きに見つめる。


恥ずかしくなって顔がカーッと赤くなった。ユンギさんが肩を支えてくれて一緒に歩く。


YG「ソヒさんたちに、Aちゃんが具合悪そうだったから見てあげてって頼まれたんだよ」


ユンギさんのモノマネは地味にクオリティが高くて、ソヒさんとユナさんがユンギ先生に伝える様子がはっきりと頭に浮かんだ。


『ありがとう…ございますェホッゲホッゴホッゴホッ』


YG「だいぶ辛そうだな。」


痛ましいような表情で私を支える手が少し強くなった。院内スマホでおそらくホソクさんのところに連絡しているのだろうか。


大丈夫大丈夫と、横で肩をさすりながら言ってくれたおかげでだいぶ落ち着いてきた。

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蒼色(プロフ) - Mahoriさん» 結局作りましたー笑ありがとうございます! (11月21日 4時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
Mahori(プロフ) - 蒼色さん» まさか続きが作られているとは…!今から飛んで読みに行きます😉 (11月16日 20時) (レス) id: 242b4e213d (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - にゃんさん» 初めてのコメント、ありがとうございます。そういっていただけると嬉しいです。続き出しました☺️ (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - せいなさん» 嬉しいコメントありがとうございます!続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - 志帆さん» 続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年9月24日 18時

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