義理の兄は医者でした3 (ページ22)

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あとどれぐらいでホソクさんの手が空くかな…。
早く準備しすぎるとお湯が冷めちゃうし、遅くても忙しいホソクさんを待たせてしまうのは申し訳ない。

ぐるぐる考えながらも他に特別今できることもないので、ゆっくりと準備を始めることにする。

お湯は最後にするとして、バスタオルや大きな桶、防水シート、石鹸など、手探りで探したり聞いたりしながら何となく準備が揃ってきた。

そろそろいいかなぁ…。
お湯ももう入れてしまおう。だいたい40度程度になるよう調節をする。

前の実習ではよく待ちぼうけにされて、しかもそのあとお湯の温度が冷め切ってるとか言って怒られたっけな。

一通りの準備が終わって一息つく。

『はぁ…コホッゴホッゴホッ』

まずい、だんだん咳が止まらなくなってきたな。
何かをしている瞬間は咳のことを忘れられるんだけど少し手が空くと思い出したように咳が止まらなくなる。

やっぱ風邪かな。

HS「お待たせ。もう全部準備できてるの？手際が良くて助かるなぁ。」

また太陽スマイルのホソクさん。

『はい、よろしくお願い…ｺﾎｹﾎします。』

2人で一緒にソヒさんの病室に向かう間も一度始まった咳は止まる気配がない。

『ゴホッゲボッゲホッ…』

HS「ちょっと大丈夫？咳止まらないみたいだけど。」

少し長めの廊下を歩きながらホソクさんが心配そうに私のことを見ている。

『すみません…ｺﾞﾎｯｹﾎｯなんか一回出ると止まらなくなっちゃうんですよね。』

HS「今日は早く寝て安静にしなね。」

ちょうど病室にたどり着いたのでそこで会話がとぎれる。

ソヒさんに挨拶をして、実習中何度もやった足浴を始める。

バスタオルをベッドの上に敷いて、クッションを膝の間に挟む。ホソクさんがやりやすいように補助をしてくれた。

『ちょっと失礼しますね。ｺﾎｯｺﾎｯ』

お湯を防水シートの上に乗せてソヒさんの細い足を桶の中に入れる。

ガーゼに石鹸を含ませ丁寧に足の指や甲を擦った。

『お痒いところありますか？』

SH「いえ…あの、大丈夫ですか？」

『…はい？』

予想外の問いが返ってきてつい手を止めてソヒさんの顔を見つめてしまう。

SH「いや、咳が辛そうだなと。」

向かいのベッドのユナさんも心配そうな目で私を見つめていた。

『あーすみません。うるさいですよねｺﾎｯ』

2人とも気にしないで、と励ましてくれたが患者さんにまで心配をかけてしまったことに落ち込む。