義理の兄は医者でした3 (ページ21)

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お昼を食べ終わりいよいよ午後が始まる。あと4時間程度の実習だがしっかり頑張ろう。

私なんてただでさえ遅れ気味なんだから。

『ッﾝン！…ケホッコホッ』

やっぱり喉の違和感、無くならないな。痰が絡むと言うよりも空気の通り道がいつもより狭い感じだ。

備品からマスクを一枚拝借して装着する。
もし本当に風邪で患者さんにうつしたりしちゃったら大変だしね。

少し大きかったので耳の後ろで余分な紐を結んだ。

そのついでに頭をぽりぽりかく。何となく今日は頭皮が痛痒い。ヘアカラー初めてだからかなぁ。気になりだすとうなじから首にかけても痒くなり出してしまった。

地味にテンション下がるなぁ。

ホソクさんを探し出して朝結局出せなかった計画を見てもらわないと。

HS「お、大丈夫そう？午後から実習できそ？」

ちょうどナースステーションに戻ってきたホソクさんが声をかけてくれた。もはや私よりもこの人の方が心配だ。労働基準法とか大丈夫？

『はい、ありがとうございました。午後から足浴をさせていただこうと思ってるんですが、お時間ありますか？』

HS「あー分かった。ちょっと待っててね…。しばらくかかりそうだから手が空いたら声かけるね。」

分かりました〜、と返事をしてソヒさんの部屋に向かう。
まず初めに足浴をさせていただけるように頼みないかないと…。

割と落ち着いている患者さんはナースステーションから離れたところに設置されることが多く病院の長い廊下を歩く。

患者さんの前ではなるべく咳をしないように、お腹にぐっと力を込めた。

トントントンッ

ノックは３回。お昼あとだからか、微かに楽しそうに談笑する声がドアの隙間から漏れ聞こえている。

『こんにちは。』

ドアを開けながら挨拶をすると明るい声を返してくれる。

ベッドを少し起こした状態の2人。ガールズトークに花が咲いていたようだ。

『ソヒさん、午後に足浴をさせていただきたいと思っているんですが、大丈夫ですか？』

SH「えぇ、いいですよ。ちょうどスッキリしたい思ってたところだから嬉しいな。」

前からはユナさんの羨む声。足浴って学校でお互いに学生同士でもやったことあるけど、意外と気持ちよかったりする。

『ありがとうございます…ｹﾎｯｺﾎｯ』

SH「大丈夫ですか？風邪ですか？」

つい漏れ出てしまった咳を心配してくれるソヒさん。

『すみません。咳だけなんですどね。ﾝンッ大丈夫です、ありがとうございます。』