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ユンギさんとホソクさんが談笑しているのをにこやかに眺める。
その瞬間、天井が落ちてきて周囲のものが一気にひっくり返ったような感覚に襲われた。
バランスが保てずに2、3歩足を踏み出すが、そのまま足が沈み込むような感覚。
うわ、これはやばいやつだ。
だんだん画素数が低い昔のテレビみたいに視界がおかしくなって、自分でも前に進んでいるのか後ろに進んでいるのかわからなくなった。
HS「っ、危ない。揺れてるけど眩暈してる?大丈夫かな?一旦座ろうか。」
視界が悪い中でも、前に立っていたホソクさんにガッチリ肩をホールドされたのが分かった。
そのまま手近にあった椅子を引き寄せて、そこに座らされる。
YG「貧血っぽいな。顔真っ白だし。」
力なく座り込む私の目の下を捲って簡単な診察を始めているユンギさん。
HS「ぽいですね。Aちゃん朝ごはん食べてきた?」
まだぐわんぐわんと揺れる視界の中で何とかゆっくり首を振る。
今日の朝は寝坊して起きてから15分で焦って家を出たせいで時間がなかった。
HS「多分貧血だと思うよ。朝ごはんは食べなさいね。ここじゃあ休めないだろうし一旦休憩室移動しようか。」
ホソクさんに軽く支えてもらいながらナースステーションを出る。
ユンギさんもその後ろからついてきてくれているのが気配で分かった。
休憩室に着くと、三人がけほどのソファーに横にされる。
ユンギさんがすかさず私の足にクッションを挟んで足の位置が高くなるように調節してくれた。
そうやってもらっているころには大分眩暈も治り、きもち悪い感じもほとんどなくなった。
さっきかいた冷や汗が冷たくて身震いしたことに気づいたユンギさんかふわりと部屋の端に置いてあったブランケットをフワリとかけてくれる。
『なんかすみません。でも、もう大丈夫そうです。』
体が少しだるいぐらいでつい3分前まであんなに眩暈がしていたのが信じられないほどだ。
YG「まだ顔色悪いから寝てろよ。」
HS「実習の方は一旦大丈夫だからとりあえず1時間ぐらいでも仮眠とりな。目の下にクマできてるから。」
自分自身の目の下をなぞりながら真面目な顔のホソクさん。
YG「しばらく寝てろよ。」
ユンギさんからは軽く頭をポンっとたたかれた。
お言葉に甘えてだるい体で目を閉じると、すぐ吸い込まれるようにあっという間に眠くなった。
あとは2人の低めの心地よい声が子守唄のように新鮮だったことも一つの原因だと思う。
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蒼色(プロフ) - Mahoriさん» 結局作りましたー笑ありがとうございます! (11月21日 4時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
Mahori(プロフ) - 蒼色さん» まさか続きが作られているとは…!今から飛んで読みに行きます😉 (11月16日 20時) (レス) id: 242b4e213d (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - にゃんさん» 初めてのコメント、ありがとうございます。そういっていただけると嬉しいです。続き出しました☺️ (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - せいなさん» 嬉しいコメントありがとうございます!続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - 志帆さん» 続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年9月24日 18時