義理の兄は医者でした3 (ページ17)

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朝の申し送りのためにみんながナースステーションの机に集まる。ちなみに今日の挨拶はジミンがしてくれた。

主任と目が合うと私の髪色を見て満足そうに頷いた。

ムキーッときたけど特に何も言わずに顔にも出さずに平静を装う。

ノートを片手に私たち学生は横並びで一斉にボールペンを動かす。もちろん情報収集も大事だけれどそれ以上にこう言うと体もやる気を見せていかないといけない。

隣のジミンも真剣な表情でメモを取っている。

実習中やることがないときはとりあえずノートとペンを片手に何かを書いているふりのはあるあるだと思う。

夜勤の先輩方の顔を見る限り、昨晩は穏やかだったらしい。ひどい時は死人のような顔をしてなるが今日はしっかりと生気が感じられた。

解散の声がかかりみんながバラバラに散る。私は今日の活動計画のためホソクさんのもとへ向かった。

『おはようございます。活動計画見ていただけますか？』

HS「はいよー…あ、髪暗くしたの？」

『はい。昨日染めました。』

わざわざ主任に追われたからと嫌味らしく言うのもどうかなと思ってその部分は黙っておくことにする。

HS「いいね、似合ってる。」

うわ…その眩しい笑顔を見るだけで心が浄化される。
髪染め直して良かったかもしれない。

「あ、ホソガ。209のキムさんの点滴、今日から変えるから指示入れといた。よろしく。」

後ろから聞き慣れた無気力な低音。

HS「お、ユンギ先生、おはようございます。了解です。」

ユンギさんとお互い1度、目が合う。その一瞬で通じ合った。お互い根底にあるのは面倒ごとは避けたいということ。

＜ここは病院だし他人だ。余計な心遣いを避けるため他人のふりをしよう。＞

まあわざわざ病院で話すこともないしね。

ユンギさんが去ろうとしたところをホソクさんが引き留めた。

HS「ソヒさんの担当医、ユンギ先生だから覚えておいてね。怖そうだけど意外といい人だから。」

ニヤニヤしながら本人の前でそれを言うあたり2人は仲がいいらしい。

ユンギさんも呆れたように笑いながらも何だか楽しそうだった。いつもお兄さんなユンギさんばかり見ていたから何だか同じくらいの年代と絡んでいるユンギさんは新鮮だ。

『よろしくお願いします。』

一応家族とはいえ、これからお世話になる(迷惑もかける)ことになるので改めて挨拶をする。

YG「ん、まぁ頑張って。」

無愛想なユンギさんらしい返事笑。笑いを堪えるのが大変だった。