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家に着いて玄関のドアを開けると、テヒョン君がリビングからひょっこり顔を出してきた。
頭のてっぺんには寝癖なのかピョンっとひと束髪が跳ねていてかわいい。
TH「おかえり…髪染めろってどゆこと?」
あぁ、そっか。
さっき説明を聞く前にもうユンギさんが電話を切っちゃったんだっけ。
『あー、私の髪色がね。明るすぎるから今週中に染めてこいって怒られちゃって。』
そういうと、ドアによりかかったまコテンと首を傾げたテヒョン君。
TH「でもそれ地毛でしょ?」
『そうなんだけどね、信じてもらえなかったの笑。』
YG「うちの主任が厳しいんだわ。前なんてナースが地毛だって反抗したらどこで見つけてきたのかカラー標本まで持ってきて、この色で地毛はありえないとか言って新人を叱ってたぞ。」
苦笑いで説明すると訳のわからないと言った顔をするテヒョン君。
TH「なんか、看護師って大変なんだね。」
『…まあね。』
TH「いいよ、やったげる。荷物置いたら風呂場ね。」
なるべくテヒョン君を待たせないように急いで着替える。
このTシャツ…もう着ないしこれでいいか。
5分程度で風呂場に向かうと、もうすでにテヒョン君が待っていた。
風呂場の椅子に座るように促される。こう言う時はこの家の風呂場が大きくて良かったと思う。2人でも狭くない大きさだ。
TH「カラーしたことある?」
私の首にビニールのようなものを巻いてくれているテヒョン君。久しぶりに美容室に来たかのような感覚だ。
『いや、初めて。』
TH「珍しいね。せっかく綺麗な色なのに勿体無い。」
細いコームを使って器用に髪をブロッキングしているテヒョン君はもう本物の美容師さんみたいだ。
TH「セルフカラーだと髪傷んじゃうけどいい?」
『うん、平気。』
美容院の予約をするのも面倒だし、髪なんてどうせすぐ伸びる。
TH「じゃ、塗るね。」
丁寧にハケみたいなものを使って薬剤をつけていく。
少しひんやりする感じが初めての感覚で何だか面白かった。
鏡越しにテヒョン君を何となく見つめていると…
TH「…何?」
バレてしまった。
『いや、何でもない。本当の美容師さんみたいだなって思って。』
そう言うと何それと鏡越しに目を逸らされてしまった。
銀髪の間から除く耳が赤い。可愛くてくすりと笑うとすごい目力で睨まれた。
そこからは無言で作業が進んでいった。
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蒼色(プロフ) - Mahoriさん» 結局作りましたー笑ありがとうございます! (11月21日 4時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
Mahori(プロフ) - 蒼色さん» まさか続きが作られているとは…!今から飛んで読みに行きます😉 (11月16日 20時) (レス) id: 242b4e213d (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - にゃんさん» 初めてのコメント、ありがとうございます。そういっていただけると嬉しいです。続き出しました☺️ (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - せいなさん» 嬉しいコメントありがとうございます!続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - 志帆さん» 続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年9月24日 18時