義理の兄は医者でした3 (ページ12)

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お昼休憩が終わり、午後も無難に終わりそうだ。
午後は主にソヒさんの今までのカルテを見て簡単な今までの流れを掴み、一緒にリハビリへ付き添った。

今の時刻は午後3時50分
普段の研修は5時に終わるのだが、今日は初日なので4時にあがらせてもらう予定だ。

帰る前に記録を見てもらわなきゃいけないんだけど…。

周りを見渡してもホソクさんはいないし他の看護師さんは何だか忙しそうにしている。

そう、これこそが私の研修で恐れていること堂々第一位。

忙しい時に声をかけると状況を見ろと怒られるし、記録を見てもらえても突っ込まれることが多く恐怖の時間でしかないのだ。

ジミンを含めた4人はもう見てもらい終わったようで私が終わるのを遠巻きに待っている。

…仕方ない。
今時間がありそうなのは主任しかいない。

『今お時間あれば記録見ていただけますか？』

「あなた…いいわよ。」

私が自分に声をかけてきたことに驚いたみたいだ。まぁ、朝怒られた相手に普通はやらないよね。私もやりたくない。

書類を軽く見た後、私の方に目を戻す。

「何で手術後は離床が必要なの？今日はリハビリに一緒について行ったみたいだけど。」

予想外なところを突っ込まれて頭が真っ白になる。

『えっと…すみません。明日までに調べて報告します。』

すると深くため息をつく主任。別に主任は私をいじめたいわけではない、分かってるけど…。

「あなた三年でしょう。そんなこともわからなくてどうやって今まで研修に参加してきたの。」

冷たく言われて背筋がひやっとする。

何とか一礼してジミン達の方へ小走りで戻った。
手術後の離床は血流を良くして回復が望めるから、肺炎予防になるから、今ならいくらでも答えが出てくるのに、ああいう場だと頭が真っ白になる。

悔しくて黙って荷物をまとめた。

流石にみんな私を気の毒だと思ったのか帰りは誰も私に挨拶をするように言わなかった。

JM「学生5名、お先に失礼します。ありがとうございました。」

みんなで階段を降り、廊下を歩くが私が黙り込んでいるせいでみんな何となく喋ったりできないっぽい。

申し訳なくていたたまれない。

きた時とは違って今度は出口までの道のりがすごく長く感じられた。

ようやく出口に辿り着いて軽く挨拶をして自分の家の方向へ向かって歩き出す。ジミンはこの後予定があるみたいで一緒に帰れないらしい。かえってよかったかもしれない。今日は何となく1人で歩きたい気分だ。