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怒涛のテストも受け終え、つかぬまの休みも過ぎ、今度は地獄の研修の始まりだ。
ちなみにテスト結果は平均より少し下、ジミンはトップを更新した。
『はぁ…ついに今日から研修か…。』
病院までの道のりをジミンと歩きながら話す。
他の子達とはこの後病院で合流する予定だ。ここの循環器内科はやばいという噂を聞いたらしくみんなげんなりしていた。
もともとこの病院、循環器内科は有名な先生がいらっしゃるだとかで特に忙しい科である。
考えるだけで気分は重い。
まず記録だの何だので基本的に寝れないし、看護学生に人権なんていうものは存在しない。前回の研修が終わる頃には心身共にボロボロだった。
JM「Aは効率悪いよね。上手く媚び売って、まあ要領よくやれば、普通に寝れないこともないのに。」
そんなこと私に言わないでくれ。
去年はインシデントまで書かされたのに…。
インシデントとは患者さんに対して誤った医療行為の実施につながる出来事や、医療ミスにつながりかねない出来事が発生すること。その場合レポートを書かなければいけない。
ちなみに私は患者さんのベッドに落ちていた薬を発見して、どうしたらいいか先輩に聞きに行っただけだ。第一発見者だからとレポートを書かされた。まあ去年の指導の人、私のこと嫌いだったからなぁ…。
でも私は知っている。
先輩方は落ちている薬を見つけても、よほど重要なものではない限り、満場一致でないないしている。
何とも外れくじを引きやすい性質だ。
JM「まあ今年は研修場所一緒だし、なんかあったら助けてあげるよ。」
爽やかに笑ったジミン。それはそれは心強かった。
ジミンはいつも人との関わり方が上手なのか指導係とも良好な関係を築き、要領よく研修をしている。
女の世界の中に男が入る、というのは良い武器にも、逆に自分自身で自滅することにもなり得る。
もちろんジミンは前者で、自分の整った顔面を上手に使い、愛嬌がある笑顔で先輩看護師たちに可愛がられてきた。
逆に、プライドが高い男なんかは上手くいかない。完膚なきまで叩きのめされる。いわば裸で戦地の真ん中に放り込まれているようなものだ。
もちろん女は女で大変なこともあるけれど。
前の実習では散々担当の看護師にいじめ抜かれたし。
私の弱弱メンタルを舐めないでほしい。もう病棟にいるだけで泣きそうになる。何ならいつも看護学生になったことを後悔してるぐらいだ。
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蒼色(プロフ) - Mahoriさん» 結局作りましたー笑ありがとうございます! (11月21日 4時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
Mahori(プロフ) - 蒼色さん» まさか続きが作られているとは…!今から飛んで読みに行きます😉 (11月16日 20時) (レス) id: 242b4e213d (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - にゃんさん» 初めてのコメント、ありがとうございます。そういっていただけると嬉しいです。続き出しました☺️ (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - せいなさん» 嬉しいコメントありがとうございます!続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - 志帆さん» 続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年9月24日 18時