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『……っはぁはぁ…ゔっ』
さっきから背中は波打つものの、うまく吐くことができない。しばらく吐いていなかったからか吐くことがすごく怖い。
YG「気持ち悪いな。ちょっときついけど吐いちゃった方が楽だから悪いけどさするよ。」
そんな私の様子を見かねたユンギさんが、赤信号で私の背中を下から上へと強くさすった。
『…ッウェ…ウェェェェェッ…』
私のそれがようやく出そうになった時にふとユンギさんの言葉を思い出した。
“車の中で大惨事とかごめんだからな”?
やばい、と思い急いで口をおおう。指の隙間から温かいものが込み上げる。
YG「おい、何やってんの!」
珍しく驚いた様子のユンギさんが急いで私の手を外した。
抑えがなくなった私はただひたすらタオルに吐き続ける。
ようやく止まれそうな場所を見つけたユンギさんはコンビニに車を止めた。
その後はそのまま背中をさすり続けてくれる。
『ウウウッ…ウエエエ…っはぁはぁ…。』
多分5分ぐらい吐き続けてようやく収まった。私の汚いものでタオルはもちろん使える状況な訳もなく、結構ギリギリで耐えている状態。
YG「落ち着いた?まだ何か辛いとかとかある?」
なんだかもう恥ずかしさと申し訳なさで泣きそうだ。
『…すみ、ません。汚しちゃったし…!私あとで片付けるので…!』
YG「謝んなくていいって言ってる。しょうがないよ誰にでもあることだから。タオルの上に吐いてくれたおかげで片付けも洗濯するだけだし。それに見慣れてるから。それよりも辛いところない?また顔色悪いけど。」
慰めなんだかよくわからない言葉をかけられながら顔を覗かれる。
『なんかまだ…なんとなく気持ち悪い感じがして…。あと、ドキドキします。』
YG「ドキドキする?ちょっと手かして。」
ユンギさんは私の手を取ると脈を測り始めた。
YG「……ちょっと早いかな。ゆっくり深呼吸しながら横になってたらすぐ治ると思う。シート倒すか。俺、水とか買ってくるよ。」
ユンギさんは私の席を倒すとコンビニの中へと消えていった。
3分ほどで戻ってきて私にスポーツ飲料を用意してくれた。
『すみません、いくらでしたか?」
YG「え?…百万」
当たり前のような顔でそう言われて戸惑ってしまう。
YG「わり、冗談。やっぱりお前モテないだろ…笑。そう言う時はただありがとうございますでいいんだよ。」
ニヤッと笑ったユンギさん。言い返す元気はあんまりないけどなかなか失礼。
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蒼色(プロフ) - ななさん» ななさん、こんにちは。そうなんです笑。ちょうど半日ぐらい違って皆さんが読みやすい夜に投稿ができないことも申し訳ないです💦続編でも是非よろしくお願いします! (8月26日 0時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - カナダにいらっしゃったんですね…‼︎なんとなく時差はあるのかなと感じていました笑。続編もお供させてください!笑笑笑 (8月25日 23時) (レス) @page50 id: 3dac742d50 (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - asさん» asさん、こんにちは。そんな日課の一部にしてくださるなんて嬉しすぎて感激です。続き今アップしました。このお話を読んでくださりありがとうございました。 (8月25日 23時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
as(プロフ) - 前作からお話読ませていただいてます!最近は朝起きてからと夜寝る前にこのお話読むのが日課でした…。続編を今か今かと待ちわびてます (8月25日 21時) (レス) id: ca05a930ec (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん、こんにちは。そんなこと言っていただけるなんて嬉しいです。続編も是非是非よろしくお願いします! (8月25日 21時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年8月17日 0時